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紫の砂漠 ハルキ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所/ |
発売年月日 | 2000/10/18 |
JAN | 9784894567825 |
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紫の砂漠
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商品レビュー
4.2
13件のお客様レビュー
誰かを愛しその誰かに…
誰かを愛しその誰かに愛された時、すなわち『真実の愛』に合った時、初めて性別の決する人たち。夢とあこがれを抱いて大人への第一歩を踏み出したシェプシの前に現れたのは・・・初見時、泣きました。幼い心の持ち主が、愛に出合って自分を見つめ直し、大人になっていく。自分を見つめさせた愛を失った...
誰かを愛しその誰かに愛された時、すなわち『真実の愛』に合った時、初めて性別の決する人たち。夢とあこがれを抱いて大人への第一歩を踏み出したシェプシの前に現れたのは・・・初見時、泣きました。幼い心の持ち主が、愛に出合って自分を見つめ直し、大人になっていく。自分を見つめさせた愛を失った時、人はどうなるのか。それでも剛く生きていける人間になりたい、と、ラストシーンを読み返すたびに思います。
文庫OFF
急に読みたくなって。あらすじだけを見ると、どうも胡散臭い気がして読めなかった。それに、工夫は凝らしたのだろうが、表紙にこの絵を採用したのは個人的にはいただけない。発言の仕方・口調、性別概念を慎重に配置しているからこそ、下手にイメージを固定化させてしまうからだ。 松村さんの作品はや...
急に読みたくなって。あらすじだけを見ると、どうも胡散臭い気がして読めなかった。それに、工夫は凝らしたのだろうが、表紙にこの絵を採用したのは個人的にはいただけない。発言の仕方・口調、性別概念を慎重に配置しているからこそ、下手にイメージを固定化させてしまうからだ。 松村さんの作品はやっぱり短編よりも中・長編での方がとても味わえると感じた。 松村さんの思考実験を見ているような、今までの作品や人生の時間を通じて、松村さんが考え続けてきたことをそのまま実現したような、そんな気がした。よくジェンダーの話を松村さんの作品についていう人がいるが、そんなのを超えて、’ひと’であること、’ひと’として生まれてしまったことを見つめ、考え続ける松村さんの作品だからこそ、ひかれてやまないのだろう。そして何度もまた生まれなおすのだろう。 ファンタジーと言うけれど、歴史、性別、愛、神話、運命、誕生、鉱物的世界、科学…その世界観はとても地に足ついたもので、とても嫌悪したり、逃げたりできるものではなかった。 シェプシの後姿を見つめ、旅立っていったジェセルは散りゆく命の中で何を思ったのだろう。愛というものはいつも肝心なところがいつもうやむやで、失うその時まで存在に気付けない。一方は塩の村で、一方は幻の村で、なぜ運命は分かたれてしまったのだろうか。なぜふたりは出会ってしまったのだろうか。なぜ訪れるはずの至福の時に身を委ねられなかったのか。 それもまた運命だ、と抗えない運命がそこには横たわっているのかもしれない。あの時もしも…なんて後悔に溺れるかもしれない。そんな中にあっても自分を見つめる心だけは何よりも自由にその翼を広げている。 痛みを分かち合えた詩人はもうこの世にいない。たったひとりの愛するひともいない。孤独な眠りの中、一年の時を経て、シェプシはひととしての曙を迎え、再びこの世に生まれた。 誰よりも失うことを知っているから、誰よりも深く愛してしまったから、シェプシは誰よりも誇り高く、愛の詩を奏でることができる。
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冒頭からしてコンピューター用の議事録フォーマットとしかおもえない文面で記された創世神話、とがった耳の人々の中で異端とされる「丸耳」の主人公、「真実の恋」に出会うまで性別の決定しないこどもたち、アメジストの砂でできた水晶の砂漠、菫茶、素晴らしく美しいレトリック。 典型とも言える「...
冒頭からしてコンピューター用の議事録フォーマットとしかおもえない文面で記された創世神話、とがった耳の人々の中で異端とされる「丸耳」の主人公、「真実の恋」に出会うまで性別の決定しないこどもたち、アメジストの砂でできた水晶の砂漠、菫茶、素晴らしく美しいレトリック。 典型とも言える「往きて帰りし物語」だったかも。 一方的にボーイミーツガールの要素を期待して(だって「真実の恋」とジェンダーもメインテーマのひとつだし)そしてそれだけにラストで え ええ…?とはなったものの続編があるらしいのでそっちに期待しつつカプ厨のわたしが★一つ減点。
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