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空虚な楽園 戦後日本の再検討
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 1998/01/23 |
JAN | 9784622036609 |
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空虚な楽園
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
ハードな本で、読み通すことができず、 自分の気に入ったところだけ、 拾い読みをしていました。 マコーマックに会うことによって、 全部読み通すことができました。 マコーマックの 「世界の平和と正義のために、 消費を減らし、経済成長をゼロにするよう努力しよう」 というメッセージは、...
ハードな本で、読み通すことができず、 自分の気に入ったところだけ、 拾い読みをしていました。 マコーマックに会うことによって、 全部読み通すことができました。 マコーマックの 「世界の平和と正義のために、 消費を減らし、経済成長をゼロにするよう努力しよう」 というメッセージは、 時代の進歩をとめるかのような感じを受ける。 オーストラリア人の歴史学者として、 日本の歴史とりわけ戦争の意味を検証する努力は、 「記憶と忘却」の中で、的確に指摘している。 日本の大臣の度重なる歴史的事実に 反する発言をして、辞任する状況を明らかにしながら、 「日本国民自身としては、戦争とそれにともなう 犯罪にたいする責任の所在について、 まだ公式の立場を明確化していない。」と断じる。 それは、戦争補償、従軍慰安婦、強制労働と花岡鉱山事件、 残留孤児などをとうしてより鮮明に浮き彫りにする。 「日本が直面する責任は、 自国が犯した犯罪はどの国でも犯している 通常の犯罪であるという理由でさけたり、 軽視したりするわけにはいかない、 どの国も負わなければならない責任である。 また、平和国家をめざす憲法に確立された 高い理想を堅持するためにも、 過去の軍国主義がもたらした現実を直視し、 それが招いた傷を癒すことに 最大の配慮を払うべきであろう。」
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▼3・11後の原発事故が〝現代文明〟への警鐘なのだとすれば、1・17で崩れ落ちた高速道路は〝現代文明〟の脆さの象徴であったのかもしれない。バブル崩壊後の閉塞感は、長らく日本社会に影を落とし、「内向き・下向き・後向き」なアイデンティティに拍車をかけた。 ▼まさにこの頃は、今にいう「...
▼3・11後の原発事故が〝現代文明〟への警鐘なのだとすれば、1・17で崩れ落ちた高速道路は〝現代文明〟の脆さの象徴であったのかもしれない。バブル崩壊後の閉塞感は、長らく日本社会に影を落とし、「内向き・下向き・後向き」なアイデンティティに拍車をかけた。 ▼まさにこの頃は、今にいう「失われた●●年」の真っただ中にあった。経済成長に陰りが見え、少なくとも今までのようにはいかないのではないか――そう、人々が自覚したとき、「経済大国ニッポン」というアイデンティティは揺らぎ、喪失感が高まった。 ▼日本とは何か。これは私たち日本人がアイデンティティを考える際に避けては通れない問いである。そして、その問いの答えを探す際にはいつでも、戦後築かれてきたアメリカとの関係の再考という問題に突き当たる。 ▼たしかに、過去を主題としない、というのも一つの選択である。しかし、その選択に至る過程で考えるべき問題が多く歴史の中に残されている。私たちは未だ「空虚な楽園」に生きていて、だからこそ、この本を今の時代に再読する価値があるのである。
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