魂の家族を求めて 私のセルフヘルプ・グループ論 小学館文庫

斎藤学(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館/
• 発売年月日: 1998/11/01
• JAN: 9784094027112

商品レビュー

2010/05/28

アルコールや薬物への…

[文庫ＯＦＦ]

アルコールや薬物への依存症、子どもへの虐待、拒食症や過食症といった社会生活のどん底から回復した人たちの話が書かれている。

2025/06/08

【目次】

まえがき

第１章　ボブが自由になった日
あるセルフヘルプ・グループの誕生
援助と共感／AAの誕生／自助グループと医療／回復と12ステップ／無力とハイヤーパワー／AAという遺産

第２章　ウィリアム・ウィルソンからビル・Wへ
ひとつの回復物語
ビル・ウィルソンの破綻／治癒不能の宣告／エビィとローランド／霊的な体験／天の恵み

第３章　ビルの抑うつと12の知恵
グループ（全体）はどのように生き残ったか
12ステップ成立の頃／分裂の危機／ハンクとマーティ・マン／12伝統／抑うつの苦しみ／ユングへの手紙

第４章　回復物語の中の「自己」
「どん底」の体験は何を変えるか
ベイトソンとAA／認識論ということ／サイバネティクスと思考するシステム／他者との関係とプライド／“どん底”の体験と認識論の変化

第５章　パラドクスと魂の成長
AA神学の解読
習慣としての人格／ダブルバインドと霊的成長／嗜癖の意味／「欲求充足のパラドクス」としての嗜癖／スリカエられた欲求の正体／AAの神学／嗜癖者たちの祈り

第６章　断酒会とアラノン
AA概念の広がり方
AAの“広がり”ということ／断酒会／AA的概念の広がりとしてのアラノン

第７章　ロイスのイネイブリング
嗜癖者の配偶者たちの嗜癖
アルコホリックの配偶者たち／ロイスとビルの出会いと結婚／弁護士免許とビル／アルコホリックの妻としてのロイス／アラノンの誕生

第８章　妻から女へ
もうひとつの回復物語
ある呼びかけ／バタード・ワイフという生き方／閉じられた罠からの脱出／“夫は変化する”という幻想／離婚までの修羅／“夫の問題”から“自分の問題”へ／草の根フェミニズム

第９章　バタード・ウーマンたちが作ったシェルター
暴力という嗜癖／トラウマ（心的外傷）後遺症／安子の場合／バタード・ウーマンの孤立無援／バタード・ウーマンたちの相互援助／私の周辺で生じたこと／シェルター／日本のサバイバーたちのシェルター作り

第10章　共依存症
ここにもまたパワーゲーム
共依存症者の特徴／病理の中核／症状／自己チェック

第11章　家族内トラウマの犠牲者たち
アダルト・チルドレンの共同体
家族という危険地帯／共依存症者の育ち方／家族内トラウマ／アダルト・チルドレン／生き残り／ACの感情生活の特徴／ACたちの共同体／エンパワメントとグリーフ・ワーク

第12章　子どもを虐待する母たちが出会うとき
子どもの虐待防止センター／ある通報／母子分離／母親も被虐待児／母と子の関係を考える会

第13章　性被害を受けた女性たちのサバイバル・グループ
SSAの由来／言い放し、聞き放し／参加者たち／被害体験を人に語ることの意味

第14章　過食・拒食症者たちの共同体
美の勝負／精神療法の限界／ナバ―われわれの試み／病気でいることの自由、病気を止めることの自由／ナバにおける私の役割

第15章　自助共同体（魂の家族）と12＆12
私にもその力がある／ナバ共同体／12ステップの本質／自己発見のためのミーティング／ザ・コンフィデンス・クリニック／10ステップ

第16章　血縁家族と魂の家族
魂を育む家族／父親の存在する家族を目指す社会／アナトミカル・ドールの家族／血縁、地縁、問題縁／魂の家族の機能／霊的成長を大切にする非宗教／時代の要求としての「魂の家族」