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マン島の黄金 クリスティー最後の贈り物 ハヤカワ・ノヴェルズ
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商品詳細
内容紹介 | 内容:夢の家. 名演技. 崖っぷち. クリスマスの冒険. 孤独な神さま. マン島の黄金. 壁の中. バグダッドの大櫃の謎. 光が消えぬかぎり. クィン氏のティ-・セット |
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販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
発売年月日 | 1998/09/15 |
JAN | 9784152081841 |
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マン島の黄金
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A.クリスティ(1890-1976)が、名探偵ポアロの登場する『スタイルズ荘の怪事件(1920)』で作家デビュ-して100年を飾る記念の年に、書棚の奥から引き抜いて読んだ、デビュ-間もない頃に発表され長く埋もれていた10篇の短編集です。謎解き、心理サスペンス、ロマンス、ホラ-とバ...
A.クリスティ(1890-1976)が、名探偵ポアロの登場する『スタイルズ荘の怪事件(1920)』で作家デビュ-して100年を飾る記念の年に、書棚の奥から引き抜いて読んだ、デビュ-間もない頃に発表され長く埋もれていた10篇の短編集です。謎解き、心理サスペンス、ロマンス、ホラ-とバラエティに富む構成ですが、ミステリの女王・クリスティとは別の顔が垣間見れる『崖っぷち(1927)』・『孤独な神さま(1926)』・『光が消えぬかぎり(1924)』に得も言われぬ魅力を感じました。
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雑誌などに初出の後、本にならなかったものを集めて1997年に「While the Light Lasts and Other Stories」としてイギリスで刊行されたものの邦訳。1編ごとについている解説が興味深い。 最初の「夢の家」がいい。男が繰り返し見る白亜の家の夢と女性の...
雑誌などに初出の後、本にならなかったものを集めて1997年に「While the Light Lasts and Other Stories」としてイギリスで刊行されたものの邦訳。1編ごとについている解説が興味深い。 最初の「夢の家」がいい。男が繰り返し見る白亜の家の夢と女性の物語でとても幻想的で破滅的。エドガー・アラン・ポーのアッシャー家の崩壊を少し思い出させる。あとは「崖っぷち」。求められない男とその妻に対する女性心理が痛い。「夢の家」は1926年、「崖っぷち」は1927年発表。この2年で母が亡くなり夫に離婚を迫られ、失踪し、離婚した。 「孤独な神様」も1927年発表だが、こちらはほっとするハッピーエンド。だけど後々まで二人はうまくゆくのかな?という余韻も感じる。「壁の中」も作中の”卵の中”のなぞなぞになぞらえて、結婚生活、あるいは人生の一断面をさらりとすまして示している。「春にして君を離れ」を思い出させる。 「夢の家」高台に建つ白亜の家の夢を何度も夢見る銀行員の男がある女性と出会う。 「名演技」今は有名になった女優が昔の殺人をゆすられるが、女優のある策略で切り抜ける。 「崖っぷち」好意を寄せていた幼馴染の男は別な女性と結婚したが、その相手の情事の鍵を偶然握り男の妻を追い詰めた果てには・・ 「クリスマスの冒険」クリスマスプディングの中に入れられたガラス玉の謎。中編「クリスマス・プディングの謎」の元となる。中編の方が肉付があっておもしろい。 「孤独な神様」大英博物館のある彫像に魅せられた男は同じ彫像をみつめる女性と出会ったが・・、 「マン島の黄金」マン島の観光振興のために宝探しの短編を書き、実際にマン島に訪れた人が宝探しをする。 「壁の中」新進の画家はさる上流の女性と結婚していたが、何故か子守の女性と話すと画材のインスピレーションを得られた。革新的な絵を描こうとするが・・ 「バグダッド大櫃の謎」中編「「スペイン櫃の謎」の元となる作品。こちらも中編の方が登場人物の心情が詳しく描かれおもしろい。 「光が消えぬかぎり」戦争で婚約者を失った妻はほどなく結婚したが夫は常に妻に前夫の影を見出していた。アフリカのタバコ農園で見る幻視。後の「愛の旋律」1930に効果的に展開されており、メアリ・ウェストマコット名義の6冊はクリスティ自身の生涯の注解だと考えられている、との解説。 「クィン氏のティー・セット」友人を訪ねる旅の途中で長年の友人クィン氏と偶然に出会ったサタースェイト氏。 (発表順) ・名演技 1923- The Actress ・クリスマスの冒険1923 - Christmas Adventure - ・光が消えぬかぎり1924 - While the Light Lasts ・壁の中 1925- Within a Wall ・夢の家1926 - The House of Dream ・崖っぷち 1927- The Edge ・孤独な神さま1927 - The Lonely God ・マン島の黄金1930 - Manx Gold - ・バグダッド大櫃の謎1932 - The Mystery of the Baghdad Chest - ・クィン氏のティー・セット1971 - The Harlequin Tea Set - ハーリ・クィンが登場する最後の作品。 (文庫版のみに所収) 白木蓮の花 - Magnolia Blossom 1926 資産家の妻はある男と知り合い駆け落ちしようと駅にやってきたが、新聞に彼女の夫の会社の倒産記事が。戻る彼女。戻った彼女に夫は会社のためにとあることを頼むが・・ 頼むために夫は白木蓮色の服を着せた。もはや彼女はどちらの男のもとにもいかないだろう。 愛犬の死 - Next to a Dog 1929 戦死した夫との思いでの老犬と暮らす女性。犬がいるために通いの勤め口をみつけられず明日の金も無くなりかけるが、ある日犬は窓枠から落ちて死んでしまう。医者に行くために親切にも助けてくれた老人がいた・・ 原題は直訳すると、犬に接して? 犬の次にあるもの? 邦題は意訳で犬の死に(接して) となるかな。その後に開ける運命。 1998 早川書房単行本 図書館
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※このレビューにはネタバレを含みます
wikipediaによれば、新聞や懸賞小説など、クリスティの生前には収録されなかった作品を集めた拾遺集とのこと。 表題作『マン島の黄金』は実際のマン島を舞台に観光イベントとして行われた宝探しだそうで、こういうことを一度でいいからやってみたい。 謎難しくて全然解けないけど。 その時のために名探偵と友達になっておくべきだね。 ほか、ミステリー以外の作品も収録されていて、クリスティの色んな一面を垣間見ることができる。 私が一番気に入ったのはクィン氏シリーズからの一篇、『クィン氏のティー・セット』。トリックがすごいとかあっと驚くとか、そういう話ではないのだけど…こう、物語を彩る色彩が綺麗で、クリスティの作品の中でも特別な位置づけになった。 この話がきっかけでクィン氏シリーズも読んでみたが、この話が一番好き。 どうやらシリーズ最終話とのことで…この雰囲気で何篇も読んでみたかったな。
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