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逆遠近法の詩学 芸術・言語論集 叢書・二十世紀ロシア文化史再考
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逆遠近法の詩学 芸術・言語論集 叢書・二十世紀ロシア文化史再考

フロレンスキイ(著者), 桑野隆(訳者), 西中村浩(訳者), 高橋健一郎(訳者)

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逆遠近法の詩学 芸術・言語論集 叢書・二十世紀ロシア文化史再考

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内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 1998/09/25
JAN 9784891763718

逆遠近法の詩学

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2024/10/30

20世紀ロシアの神学者フロレンスキイによる美術論。 ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーが、著書の中で紹介していたのをきっかけに、手に取った。 ルネサンス期における遠近法の確立は、美術や絵画技法にとどまらず、「ものの見方」、さらに言えば認識の有り方を根源的に変えるものであっ...

20世紀ロシアの神学者フロレンスキイによる美術論。 ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーが、著書の中で紹介していたのをきっかけに、手に取った。 ルネサンス期における遠近法の確立は、美術や絵画技法にとどまらず、「ものの見方」、さらに言えば認識の有り方を根源的に変えるものであった。 そのルネサンスから数百年後、本著では遠近法に対して「逆遠近法」を議論し、新たな世界認識の地平を提示する。 著者のフロレンスキイが、ルネサンスの画家レオナルド・ダ・ヴィンチになぞらえて「ロシアのレオナルド・ダ・ヴィンチ」と呼ばれた所以が理解できる。 この「逆遠近法」という言葉について。 英語で言うAnti-perspective の訳だと思われ、ロシア語原典はわからないが、このanti-(日本語でいうアンチ)は「逆」と言うよりは「反」とした方が、本著の趣旨に近づくだろう。 本著で議論されているのは絵画技法の詳細ではなく、むしろ「遠近法主義」への反駁であり、遠近法が必ずしも美術の絶対的な正しさや絵画技術の巧拙を測る指標ではない、と言う主張だ。 そういう意味で読まれるためには、「反遠近法」と訳した方が意味が通りやすい。 遠近法とは「見えるまま」に世界を描くこととされ、それが確立される前の古代絵画やルネサンス以前の宗教画などは、技法が未熟と解釈されることもある。 その点にフロレンスキイは反論する。 古代の画家は、遠近法で「描けなかった」のではなく、遠近法に美術的価値を見出しておらず、遠近法で描く「必要がなかった」のだ。 「ピラミッド建築のような高度な技術を持っていた古代エジプト人が遠近法ごときを知らなかったと考える方がおかしい」と彼はあっさり論破する。 何故ルネサンス以前は遠近法でなかったか。 何故フロレンスキイは逆(反)遠近法を主張するか。 遠近法では、画家の位置や視点は固定されている。 固定された上で「見えるまま」が遠近法だ。 しかし、生きて常に動いている人間の、位置や視点が「固定される」ことが、果たしてありのままに世界を見ることなのか。 例えば人は生まれて以来、絵を描くという目的以外に、目の前にある机を、長方形或いは正方形ではなく、台形であると認識したことがあるだろうか。 または、遠近法に忠実に家を描けば、見えていない側の壁は全く描かないことになるが、果たしてそれが「ありのまま」その家を描いたということになるのか。 端緒は舞台美術に遡るが、遠近法とはむしろ、三次元の現実を二次元の紙の上に写し取ると言う目的のためだけに行う、特殊な世界認識と言えるのである。 さらに、そもそも見えるまま描くというのは、「自分が」見えるままということであり、これはルネサンスにおける人間中心の世界観と結びついている。 それは美術の技法よりもっと根源的な世界認識の方法に根ざすものだ。 ルネサンス以前の宗教画には逆遠近法が取り入れられることが多かった。 それは、人間が「見る」のではなく、神から「見られている」視点ということである。 つまりルネサンスで、視点が神から人間へ移ったということだ。 興味深いのは、当時まだヨーロッパと交流はなかった時代の日本でも、武将画などは逆遠近法を取り入れて描かれている点だ。 尊いものを描く際は、描く側より描かれている側の視点で描く。 それは絵画技法というより人間の根源的な感覚なのだろう。 長くなったが、一言で言うと開眼の一冊であった。 さすがタルコフスキー推薦。 美術は単なる平面の絵画ではなく世界認識そのものなのだ。 とにかく読めてよかった。 ネット注文から配送までにひと月以上かかったが、どうやら倉庫の奥から引っ張り出して送ってくれたようである。 編集者や訳者の方々の尽力に感謝しかない。

Posted by ブクログ

2013/07/10

「逆遠近法」は内容からしてかなり絵の見方が変わる、しかもそれ自体が非常に美しい論文。遠近法はある特殊な絵画の方法に過ぎず、むしろ人間の世界認識を束縛している。芸術家はむしろ遠近法的なものの関係を破壊して、別の空間を再構成していかねばならない。世界の一つ一つのものに向き合うこと。

Posted by ブクログ

2010/06/14

[ 内容 ] 『ロシアのレオナルド・ダ・ヴィンチ』と呼ばれ、宗教学者、自然科学者、司祭、歴史家、文献学者、発明家、技術者、詩人など、さまざまな領域で驚くべき天才ぶりを発揮したパーヴェル・アレクサンドロヴィチ・フロレンスキイ。 「逆遠近法」の概念を軸に、中世イコンの精緻な幾何学的読...

[ 内容 ] 『ロシアのレオナルド・ダ・ヴィンチ』と呼ばれ、宗教学者、自然科学者、司祭、歴史家、文献学者、発明家、技術者、詩人など、さまざまな領域で驚くべき天才ぶりを発揮したパーヴェル・アレクサンドロヴィチ・フロレンスキイ。 「逆遠近法」の概念を軸に、中世イコンの精緻な幾何学的読解を試みた芸術論をはじめ、ポリグロットならではの周密な固有名詞論を展開した「哲学的前提としての賛名」など、二十世紀ロシア文化史上ひときわ異彩を放つ思想家の、言語・芸術分野の代表的論攷を本邦初訳で収録。 [ 目次 ] 逆遠近法 芸術の総合としての聖堂儀礼 天の現れ―色彩の象徴体系をめぐって 言語の二律背反 言葉の魔術性 哲学的前提としての賛名 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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