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フョードロフ伝
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 水声社 |
発売年月日 | 1998/06/15 |
JAN | 9784891763640 |
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フョードロフ伝
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ロシアの伝説的な図書館司書、ニコライ・フョードロヴィッチ・フョードロフの伝記です。 あらゆる分野に精通し、モスクワのソクラテスと呼ばれた傑物です。 特に突出していた思想は“ロシア宇宙主義”、科学的死者蘇生と宇宙開発の必要性についてでしょう。 同時代人にこのような考え方を生みだした...
ロシアの伝説的な図書館司書、ニコライ・フョードロヴィッチ・フョードロフの伝記です。 あらゆる分野に精通し、モスクワのソクラテスと呼ばれた傑物です。 特に突出していた思想は“ロシア宇宙主義”、科学的死者蘇生と宇宙開発の必要性についてでしょう。 同時代人にこのような考え方を生みだした人間は他に無く、現代ではSF作家だけでなく学者までも考え得る内容だろうと思います。 物質的な満足は求めず、ただ知識を求め己の信じる道を猛進したフョードロフ。 素晴らしい偉人です。
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貴族の生まれ。父親は、劇や芸術へ入れ混み、女優に熱を挙げるタイプだった。 幼いころから感受性が強く、飢餓・死・非血縁性に敏感だった。 悲しみと恐怖に彩られた彼の慰めは、他人ではなく、血縁者の間にいられると感じられる家としての教会であった。 P48. 教会は彼に、時代を超...
貴族の生まれ。父親は、劇や芸術へ入れ混み、女優に熱を挙げるタイプだった。 幼いころから感受性が強く、飢餓・死・非血縁性に敏感だった。 悲しみと恐怖に彩られた彼の慰めは、他人ではなく、血縁者の間にいられると感じられる家としての教会であった。 P48. 教会は彼に、時代を超えて生者と死者を一つに結び、大空に去っていく全人類的な共同体にリアルに加わっているという感覚をはぐくんでいった。 P49. 聖堂での精神と知性の教育を経て、「現世」の掟を克服するという理想をおのれの心に深く根付かせながら、フョードロフはキリスト教が祈りから事業へと返事、聖堂を出て聖体礼儀(リトゥルギヤ)が自らの秘跡を世界に持ち出し、遺志が変容を遂げて、生きた肉体と血へリアルに変化する時を夢見ていた 1850年前後 福音書の言葉 人間の能動性へのアピールや、存在の罪深い秩序を克服し、不死の、変容した、神的存在タイプを創造することへの聖なるアピールが現れる (ツォルコフスキー 我が生涯を概観して) <伝説の司書> 彼の夢 命日に従って蔵書を配列する 毎日、著者の書物にかかわりのある肖像画、胸像が展示される P82. 図書館は単に書物の集合体であるのみならず、祖先のために建てられた記念碑とならねばならない。そこにおいて書物は作者の魂となり、胸像は彼らの身体となる。 もしも書庫を墓と比較するなら読書ないしよりただしく研究とは、墓から出ることを意味し、展示会は復活のごときものとなる。 P84. (優秀な司書としての特質は)フョードロフの空前絶後の機械的記憶力にあったのではない。彼には形態論的な合目性と、部分や部門の相関性をもつ生きたオルガニズムとして文化を感得する驚くべき力が備わっていた。 P85. 彼は、ルミャンツェフ博物館に所蔵されている本の系統だったビブリオグラフィーを考え出した最初に人物だった。フョードロフは本の注釈カードに特別な意味を認め、彼の考えによると、そのカードは「理想的な十分な内容と共に簡潔さ」の達成を目指し、万が一本が紛失した場合、そのカードを手本にしながら、ある程度までその内容が復元できるように、著者自らが作成しなければならないというものだった。 <モスクワのソクラテス> 宗教 ロシア:一日聖堂→身体と魂とさほどの分離がない、それ自体が神聖 西欧: 天を目指すゴシック建築→身体と魂の分離 <共同事業> この著作(2巻の『共同事業の哲学』)は2つの柱がある。 第一の層では、自然科学の知識や世界観に従って、彼の概念とプロジェクトが展開されている。第二の層では、キリスト教の基本的な形象や元型を解釈しなおすことによって、フョードロフの理念とプロジェクトが普遍的な神話の形にシンボリックにつくりかえられている。 2つの唯物主義(マテリアリズム) 1物質の蒙昧な力に屈するもの 2物質を統御する(自然統御) 後者を重視。 進化には上昇的性格があるという理念と、人間は自然の今後の発展を担うべき自然の理性である。 進化の新しい段階「自然に理性と意志をもたらすこと」であり、自然に霊性をもたらし回復させる、愛に満ちた創造的作業。 「統御」のプロセスで、肉体そのものも変える(機会による部分的な拡張ではなく)、人間のオルガニズムそのものの根本変容。復活と不死には不可欠。 ヴェルナツキィ 独立栄養 P91. フョードロフの考えでは、人間は、自然のプロセスに倣って―ただし、より高い自覚的なレベルで―自身のオルガニズムを一新し、自分にとって新しい器官を作るために、つまり、ある指向性をもった自然の組織を創造を習得するために、自然のプロセスを敏感に察知し、その中に入っていかねばならない。 →直観力を覚醒させ、発達させることによる知性の拡大 アンリ・ベルグソン→無意識の本能|知性によるもの ↓ 内側から世界を感じ取る ↓ 直感 これが働くのは、同情・共感を通してであり、瞬時にして主体・客体を乗り越え、対象物と溶け合う 祖先の復活 統御の中心点→すべての死者を地上に復活させること 不死→寿命を延ばす 個人的に獲得した道徳、世代交代により刷新→寿命の延長は必須 死者の中から蘇る際、変容が不可欠である。 ↓ 獣性を取り除いた、新たな知性の獲得 終末論→カタストロフィではなく、世界の自然を変容させる創造的作業の長いプロセス ・なぜ、キリスト教なのか? ・各人の死によって失われた唯一無二の個我を復活させる ・自然の世界を不死の神的存在タイプ(天の王国)に変容させる
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あらゆる個人の生命は死者の上に築かれる。その意味で人は今他者を排斥することなくしては生きられない。こうした生は誤っており、いつか科学技術の発展により全員を復活させた平等な理想社会を構築すべきだ...という感じ。(下手な要約もあって)オカルト感がいよいよ募りますが、初期ボリシェヴィ...
あらゆる個人の生命は死者の上に築かれる。その意味で人は今他者を排斥することなくしては生きられない。こうした生は誤っており、いつか科学技術の発展により全員を復活させた平等な理想社会を構築すべきだ...という感じ。(下手な要約もあって)オカルト感がいよいよ募りますが、初期ボリシェヴィキの理念をつながりを指摘されるなど、魅力的な思想家で、そんな彼の思想をかなり分かりやすく書いてあると思いました。他の思想家たちとのつながりにあまり詳細な分析がない、文献案内がほしい、とか少し不満はありますが、日本語はおろか英語ですら類書のほとんどないところなので、貴重な本です。
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