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文化と帝国主義(1)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 1998/12/18 |
JAN | 9784622031970 |
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文化と帝国主義(1)
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商品レビュー
4.8
4件のお客様レビュー
西洋の「物言わぬ他者」たるオリエントを考察した『オリエンタリズム』から一歩進めて、抵抗・攪乱する存在としてのオリエントにまで注目した著作の上巻。もう書かれてから20年は経っているはずですが、テクスト分析のみならず、例えば「乖離する経験」の章に出てくるアラブ人のキリスト教聖職者の話...
西洋の「物言わぬ他者」たるオリエントを考察した『オリエンタリズム』から一歩進めて、抵抗・攪乱する存在としてのオリエントにまで注目した著作の上巻。もう書かれてから20年は経っているはずですが、テクスト分析のみならず、例えば「乖離する経験」の章に出てくるアラブ人のキリスト教聖職者の話が、相互経験の困難さをあらわしていて面白い。
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いまさらですが、サイードの『文化と帝国主義』を拾い読み。 いつも拾い読みで、なかなかまとめて読めてないけど、おもしろい。 今回いいなと思ったのは、「物語と社会空間」の章で、コンラッドの『闇の奥』を取り上げている部分。 マーロウがイギリスの植民地支配はやがて「不可視」になると感じ...
いまさらですが、サイードの『文化と帝国主義』を拾い読み。 いつも拾い読みで、なかなかまとめて読めてないけど、おもしろい。 今回いいなと思ったのは、「物語と社会空間」の章で、コンラッドの『闇の奥』を取り上げている部分。 マーロウがイギリスの植民地支配はやがて「不可視」になると感じていることを、サイードは明らかにする。 マーロウ(コンラッド)は、植民者と被植民者は「ことごとく一体化」することを夢想する。 「あなたが最初にこしらえたものによってあなたは完璧に囲い込まれ、おまけにあなた自身それを崇拝してしまう」。 このような状況が当然のことになると、それは植民地支配は「不可視」となる。 コンラッドが、植民地支配の領土簒奪と、その行為の隠蔽までを帝国主義として捉えていたことがあざやかに示される。 コンラッドの視点を無批判に肯定することは無論できない。 それでも、帝国主義は「不可視」される、それゆえに我々は救われる、とマーロウというまぎれもない一人の植民者が20世紀初頭に高らかに語っていることにあらためて気付かされた。 「我々」の論理に、観念に、植民地に生きるすべての者が巻き込まれる。 いまも、帝国主義的な力は常に「不可視化」されつづけている。 文学だけではなく、さまざまな表象の場において。 小さな部分を読み逃さずに、問題をきちんと抉り出すような読み方をしなければ。
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2003年。「物語こそ議論のかなめであり、わたしの基本的な観点とは、探検家や小説家が世界の未知な領域について語ることの核心には、物語がひそむこと、また物語は、植民地化された人びとが、みずからのアイデンティティとみずからの歴史の存在を主張するときに使う手段ともなるということである。...
2003年。「物語こそ議論のかなめであり、わたしの基本的な観点とは、探検家や小説家が世界の未知な領域について語ることの核心には、物語がひそむこと、また物語は、植民地化された人びとが、みずからのアイデンティティとみずからの歴史の存在を主張するときに使う手段ともなるということである。p.3」
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