ドラム缶が鳴りやんで 元反対同盟事務局長石毛博道・成田を語る

朝日新聞成田支局(著者)

• 販売会社／発売会社: 四谷ラウンド/
• 発売年月日: 1998/06/24
• JAN: 9784946515194

商品レビュー

2022/05/02

「「ナリタ」の物語」に「先輩記者が丹念に取材した力作」として言及されているので、こちらも手に取ってみた。1997年に朝日新聞千葉版に連載されたもので、1991年の成田空港問題シンポジウムで国との対話を選択した石毛博道氏（元反対同盟（熱田派）事務局長）へのインタビュー記録。関連人物の談話も随所に挟み込まれている。

一方的に立地を決定した国家への批判に加えて、村落内部での空港賛成派との対立、新左翼諸党派との関係の歪み、運動の激化や分裂の過程などもかなり語られていて、気が重くなる箇所も少なくなかった。国との対話への転換が、開港後に地域荒廃が進むなかで、「空港がどうなるにせよ、私たちはこの地に生き続けなければならない」という現実から導き出されたということも、詳しく書かれている（一方で、対話への転換に批判的な声にも触れられている）。たしかに「力作」である。

2010/06/27

2010/6/10

成田空港建設問題、反対同盟のリーダーによる闘争の足跡。

国家行政に携わる者として、時には非情になる必要があることは頭では理解できる。しかし、実際に自分が当事者になったときのことを考えると、正直怖くなった。
遠い将来、この仕事を選んでよかったと思えるかどうかは自分次第だ。