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陰の季節
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商品詳細
内容紹介 | 架空の警察本部を舞台にした「D県警シリーズ」第一弾。犯人を追う側ではなく、人事責任者や秘書課など、その裏で警察という組織を支える警察官を主人公に据えた異色の警察小説。『陰の季節』『地の声』『黒い線』『鞄』の4編からなる、第5回松本清張賞を受賞した短編ミステリー。 |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1998/10/30 |
JAN | 9784163180809 |
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陰の季節
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商品レビュー
3.5
20件のお客様レビュー
半落ちや64は読んでいたのにデビュー作を読んでいなかったことに今更ながら気付いて読み終えました。 警察組織の監察、鑑識、秘書課など今まであまり中心とされていなかった裏方の管理部門で起こった問題に焦点を当てた短編集。 組織内の心理戦が多く謎が解明されても綺麗に終わることはなくどこ...
半落ちや64は読んでいたのにデビュー作を読んでいなかったことに今更ながら気付いて読み終えました。 警察組織の監察、鑑識、秘書課など今まであまり中心とされていなかった裏方の管理部門で起こった問題に焦点を当てた短編集。 組織内の心理戦が多く謎が解明されても綺麗に終わることはなくどこかモヤっとしてしまうところもありましたが面白かったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表舞台にはあまり出てくることのない、人事等を担う警務部内の人間模様を描いた短編集。 第一線で活躍する警察官たちの物語とは違い、犯罪者との華々しい攻防戦はないけれど、警察官たちの内面が丁寧に描かれてあり胸が締め付けられた。 警察といえど体制は民間企業と同じ。時に人事異動に備えて大規模な人事パズルに頭を悩ませることも。地味な作業だけれど組織を創る上で決して欠かせない作業である。ここを疎かにすれば組織全体のバランスも崩れ業務にも支障をきたすだろう。 縁の下の力持ち、という言葉がよく似合う今回の登場人物たちに共感を持った。 表題作と『黒い線』が特に良かった。 同僚たちから「陰の人事権者」と囁かれる警務課調査官のエリート警視・二渡真治が特に魅力的。いつも冷静で感も冴えていてクールな印象を持つ二渡が、同僚に対して時々見せる温かな眼差しに救われた。 もっと二渡の物語が読んでみたくなる。 それにしても、男社会の中に生きる少数派の婦警たちの苦労には胸が締め付けられる。 鼻が利くとか絵が上手い等、仕事をする上での強みを持って男たちと対等に張り合おうとする婦警もいれば、敢えてマスコット的存在に甘んじて笑顔を振りまき男たちの間を無難に渡り歩く婦警もいる。 どちらが正解かなんて野暮なことは言わないけれど、封建的で頭でっかちな男たちと共に仕事をすることは、特に日本国内ではどこの社会も大変なことだとつくづく思った。
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松本清張賞を受賞した表題作を含む、四編が収録された短編集。 横山秀夫さんのデビュー作です。 警察小説と銘打つ作品は数あれど、警務課、監察課、秘書課など、これまで取り上げられなかったと思われる部署にスポットを当てる、その着眼点が素晴らしいと思いました。 殺人事件の捜査でなくとも...
松本清張賞を受賞した表題作を含む、四編が収録された短編集。 横山秀夫さんのデビュー作です。 警察小説と銘打つ作品は数あれど、警務課、監察課、秘書課など、これまで取り上げられなかったと思われる部署にスポットを当てる、その着眼点が素晴らしいと思いました。 殺人事件の捜査でなくとも、謎の提示から真相の解明に至る道筋は、ミステリそのものといった印象で、更に言うならこの作品集は、警察内部の日常の謎といった趣もあるのではないでしょうか。 「新しい警察小説」という言葉にも納得の一冊です。
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