陰の季節 の商品レビュー
半落ちや64は読んでいたのにデビュー作を読んでいなかったことに今更ながら気付いて読み終えました。 警察組織の監察、鑑識、秘書課など今まであまり中心とされていなかった裏方の管理部門で起こった問題に焦点を当てた短編集。 組織内の心理戦が多く謎が解明されても綺麗に終わることはなくどこ...
半落ちや64は読んでいたのにデビュー作を読んでいなかったことに今更ながら気付いて読み終えました。 警察組織の監察、鑑識、秘書課など今まであまり中心とされていなかった裏方の管理部門で起こった問題に焦点を当てた短編集。 組織内の心理戦が多く謎が解明されても綺麗に終わることはなくどこかモヤっとしてしまうところもありましたが面白かったです。
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表舞台にはあまり出てくることのない、人事等を担う警務部内の人間模様を描いた短編集。 第一線で活躍する警察官たちの物語とは違い、犯罪者との華々しい攻防戦はないけれど、警察官たちの内面が丁寧に描かれてあり胸が締め付けられた。 警察といえど体制は民間企業と同じ。時に人事異動に備えて大規模な人事パズルに頭を悩ませることも。地味な作業だけれど組織を創る上で決して欠かせない作業である。ここを疎かにすれば組織全体のバランスも崩れ業務にも支障をきたすだろう。 縁の下の力持ち、という言葉がよく似合う今回の登場人物たちに共感を持った。 表題作と『黒い線』が特に良かった。 同僚たちから「陰の人事権者」と囁かれる警務課調査官のエリート警視・二渡真治が特に魅力的。いつも冷静で感も冴えていてクールな印象を持つ二渡が、同僚に対して時々見せる温かな眼差しに救われた。 もっと二渡の物語が読んでみたくなる。 それにしても、男社会の中に生きる少数派の婦警たちの苦労には胸が締め付けられる。 鼻が利くとか絵が上手い等、仕事をする上での強みを持って男たちと対等に張り合おうとする婦警もいれば、敢えてマスコット的存在に甘んじて笑顔を振りまき男たちの間を無難に渡り歩く婦警もいる。 どちらが正解かなんて野暮なことは言わないけれど、封建的で頭でっかちな男たちと共に仕事をすることは、特に日本国内ではどこの社会も大変なことだとつくづく思った。
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松本清張賞を受賞した表題作を含む、四編が収録された短編集。 横山秀夫さんのデビュー作です。 警察小説と銘打つ作品は数あれど、警務課、監察課、秘書課など、これまで取り上げられなかったと思われる部署にスポットを当てる、その着眼点が素晴らしいと思いました。 殺人事件の捜査でなくとも...
松本清張賞を受賞した表題作を含む、四編が収録された短編集。 横山秀夫さんのデビュー作です。 警察小説と銘打つ作品は数あれど、警務課、監察課、秘書課など、これまで取り上げられなかったと思われる部署にスポットを当てる、その着眼点が素晴らしいと思いました。 殺人事件の捜査でなくとも、謎の提示から真相の解明に至る道筋は、ミステリそのものといった印象で、更に言うならこの作品集は、警察内部の日常の謎といった趣もあるのではないでしょうか。 「新しい警察小説」という言葉にも納得の一冊です。
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面白い推理小説ではある。読んでいて警察内部の組織の実情や登場人物の心情がよく描かれていて飽きない。しかし、陰の季節と地の声の2篇を読んで、残り2篇が読みたいとは思わなかった。推理に徹しまた描写が現実的であり、ユーモアや、ロマンスや、冒険、そういった楽しみごとがないせいだろうか。
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警察のなかの出世とか天下りとかのドロドロした所を中心に話が進む。読んでてすっきり感はない。短編だけれど、主人公はいろいろ。二渡さんを中心に話を進めてほしかったなあ。
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横山さんのD県警シリーズ第1作目の短編集。横山さんは僕の中では半落ちでブレイクした作家というイメージが強いのだが本作はそれより前の98年の作品で、第5回松本清張賞を受賞している。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyo...
横山さんのD県警シリーズ第1作目の短編集。横山さんは僕の中では半落ちでブレイクした作家というイメージが強いのだが本作はそれより前の98年の作品で、第5回松本清張賞を受賞している。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyou12505.html
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64(ロクヨン)を読んで、読友さんに「D県警シリーズ」を教えて頂きました。横山秀夫さんのデビュー作になるのですね。警務課調査官二渡が主人公で架空の警察本部D県警の管理部門人事責任者の物語。表題作「陰の季節」は、人事異動の内示発表の5日前、3年前に民間企業の産業廃棄物不法投棄監視センター専務理事に天下りしていた尾坂部道夫が、“3年で辞める”という暗黙の掟を破り、「辞めない」と言い出す。人事担当の調査官・二渡がその理由を調べ始めると……尾坂部が結婚間近の尾坂部の娘が被害にあった暴行事件を捜査していた。
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内容紹介 天下りなどの人事問題に真っ正面から取り組んで、選考委員の激賞を浴びた松本清張賞受賞作ほかテレビドラマ化されたD県警シリーズ
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横山秀夫氏の作品は「半落ち」しか読んだことがありません。あまり感じるところがなかったんで、今回はと期待してみたのですが、やはり私には、ピンとくるものがなかったです。確かに警察内部の話って興味深いものではあるのですが。
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〈内容〉警察一家の要、人事を担当する二渡は、天下り先ポストに固執するOBの説得にあたるが……。警察小説の新たな地平を拓く話題作。
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