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近代の労働観 岩波新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
| 発売年月日 | 1998/10/20 |
| JAN | 9784004305842 |
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近代の労働観
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近代の労働観
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働くことが喜びである…
働くことが喜びである、などという言説は近代資本主義発展のための労働マゾヒズムの賜物である。本来の喜びは働くことを通じて得られる人と人とのふれあいにある。働き甲斐だの天職だの奴隷根性を植えつけようとする刷り込みの数々に対する耐性をつけなければならない。そのための読むワクチンとしてこ...
働くことが喜びである、などという言説は近代資本主義発展のための労働マゾヒズムの賜物である。本来の喜びは働くことを通じて得られる人と人とのふれあいにある。働き甲斐だの天職だの奴隷根性を植えつけようとする刷り込みの数々に対する耐性をつけなければならない。そのための読むワクチンとしてこの本を使うとよい。今働いているすべての人が役蓄とならないために。
文庫OFF
『仕事』に感銘を受けて、より近代の労働観にフォーカスしてあるだろう本書に手を伸ばした。 ・内容を一文にまとめると、労働そのものに内在する喜びというのはなく、承認欲望の満足という社会的=外部的な条件による喜びであり、それゆえ、労働は人間の本質であり労働を推し進めれば人間本来の喜び...
『仕事』に感銘を受けて、より近代の労働観にフォーカスしてあるだろう本書に手を伸ばした。 ・内容を一文にまとめると、労働そのものに内在する喜びというのはなく、承認欲望の満足という社会的=外部的な条件による喜びであり、それゆえ、労働は人間の本質であり労働を推し進めれば人間本来の喜びを得られるという近代の労働観に反対する、というものである。 ・近代以降の労働の喜びは承認欲望の満足であるという主張は、労働者として自分、同僚を見ていると確かにと経験的に同意できる。 しかし、その主張には新規性がないし、喜びの源泉はそれだけでないだろうし、そこに至るまでの論証は弱い。第3章で1930年代ごろのドイツ人の労働表象について調査した文献を引用する部分があるが、自分の主張に都合の良い部分だけをピックアップし都合の良いように解釈しており、信頼性が低い。 ・近代の労働では、承認欲望のために熾烈な競争と勤勉禁欲が求められ、過大な負荷を労働者に課している。第5章では、この状況を乗り越えるための筆者の主張が述べられる。 筆者は、他者からの承認を求めない原初的な自己満足の欲望(子供の砂遊びや画家など)は、現実的にはほぼあり得ないとする。生まれた時点で社会に放り出されているからだ。そのため、自己満足としての労働の喜びは追い求めず、代わりに承認欲望を「私的欲望」と「公的欲望」に分類し、後者に救いの道を求める。「私的欲望」は虚栄心、すなわち他人の頭の中により良い自己像を浮かばせようとする心に過ぎないが、「公的欲望」は対等な人格として相互に承認し合おうとする承認欲望である。「私的欲望」は他者との差異を求め、優劣をつけ、働きに応じて報酬を求めるものであるが、「公的欲望」は対等な人格として承認するのだからある種の公正さ、正義が求められる。そのためには公共の事物を公的に討論することが必要である。これを労働の場に持ち込むためには、労働時間を減らし余暇の時間を増やすことが必要だという。 正直あまり良い処方箋になっていない。余暇の時間を増やすことが、労働の成果に対する公的な討議が行われる必要条件になるとは思えない。普通に仕事場から帰るからだ。 現代では、余暇の時間も専ら私的な空間に閉じられてしまい、公共性に開かれることもない。余暇を増やすと社会は崩壊するように思われる。 ・勤勉禁欲クソ喰らえ、余暇を増やして自由な活動をさせろ、労働は奴隷だ、という主張は私も同意する。 ・キリスト教的慈悲の救貧制と行政・資本家による規律訓練が交わり、貧民を従順な労働者にしていったという部分は『仕事』にはなかった。ここは新しい学び。
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近代のあらゆる社会思想に潜んでいる労働中心主義(=人間の本質は労働である)。左右の両極から、われわれを労働へと駆り立てるそのしくみ。納得の分析です。 古代社会やアルカイックな社会との比較から近現代の特異性が描き出され、歴史的な理解も進む。MaxWeberやMicheleFouc...
近代のあらゆる社会思想に潜んでいる労働中心主義(=人間の本質は労働である)。左右の両極から、われわれを労働へと駆り立てるそのしくみ。納得の分析です。 古代社会やアルカイックな社会との比較から近現代の特異性が描き出され、歴史的な理解も進む。MaxWeberやMicheleFoucaultの議論もあわせて参照したい。 中盤では、実際の労働調査資料(1920年代、ドイツ)を参照した、近代の労働観を支える「承認欲望」について検討。自分自身の労働経験に引き寄せて考えると、とても刺激的。 記号的消費(Jean Baudrillard)の概念から、現代が”記号的労働”に行き着いていることへも言及。今日的な課題―勝ち組負け組、NEET、YouTuberは労働者か?、などなど―を考えさせられる。 最後に、労働中心主義に対する先駆的な批判(Paul Lafargue)やアルカイックな社会の実相から、現代の労働の現場を転換していく展望が語られる。AIやIoTなど近未来のテクノロジーが、すべての人々に、その成果を享受される技術であるために、避けて通れない考察。
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