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近代の労働観 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 1998/10/20 |
JAN | 9784004305842 |
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近代の労働観
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近代の労働観
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
働くことが喜びである…
働くことが喜びである、などという言説は近代資本主義発展のための労働マゾヒズムの賜物である。本来の喜びは働くことを通じて得られる人と人とのふれあいにある。働き甲斐だの天職だの奴隷根性を植えつけようとする刷り込みの数々に対する耐性をつけなければならない。そのための読むワクチンとしてこ...
働くことが喜びである、などという言説は近代資本主義発展のための労働マゾヒズムの賜物である。本来の喜びは働くことを通じて得られる人と人とのふれあいにある。働き甲斐だの天職だの奴隷根性を植えつけようとする刷り込みの数々に対する耐性をつけなければならない。そのための読むワクチンとしてこの本を使うとよい。今働いているすべての人が役蓄とならないために。
文庫OFF
近代のあらゆる社会思想に潜んでいる労働中心主義(=人間の本質は労働である)。左右の両極から、われわれを労働へと駆り立てるそのしくみ。納得の分析です。 古代社会やアルカイックな社会との比較から近現代の特異性が描き出され、歴史的な理解も進む。MaxWeberやMicheleFouc...
近代のあらゆる社会思想に潜んでいる労働中心主義(=人間の本質は労働である)。左右の両極から、われわれを労働へと駆り立てるそのしくみ。納得の分析です。 古代社会やアルカイックな社会との比較から近現代の特異性が描き出され、歴史的な理解も進む。MaxWeberやMicheleFoucaultの議論もあわせて参照したい。 中盤では、実際の労働調査資料(1920年代、ドイツ)を参照した、近代の労働観を支える「承認欲望」について検討。自分自身の労働経験に引き寄せて考えると、とても刺激的。 記号的消費(Jean Baudrillard)の概念から、現代が”記号的労働”に行き着いていることへも言及。今日的な課題―勝ち組負け組、NEET、YouTuberは労働者か?、などなど―を考えさせられる。 最後に、労働中心主義に対する先駆的な批判(Paul Lafargue)やアルカイックな社会の実相から、現代の労働の現場を転換していく展望が語られる。AIやIoTなど近未来のテクノロジーが、すべての人々に、その成果を享受される技術であるために、避けて通れない考察。
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1998年刊行。著者は東京経済大学教授。 タイトルどおり、職業実態の変容を来した近代の「労働」(一応、労働という意味では共通項の大なる現代までを射程範囲)の有り様を、古代・アルカイック等前近代との比較を交えつつ検討していく。 単純な図式に落とし込むと、 ① 余暇への高価値=非近代、労働=拘束=近代=勤勉への高価値という静的比較と、 ② 労働の正当化・内在化を徐々に加えてきた過程という動的分析 とに区分け可能か。ただ、労働に価値(喜び)を見出す心的作用の類型化とその欺瞞も含め、内容にさほどの新奇性はない。 もちろんそれは内容が無意味というのではない。受動的とされる認知・学習心理学に関する解説内容と、労働の精神的意義とされるものとが相当被るからだ。 気になるのは、初期近代の労働は、救貧院による強制と指摘しつつも、彼らの貧困脱出のために必要な所得=生きる糧の獲得の手段でもあったという側面に触れない点だ。わざとなのか、そもそもそういう利点が皆無だったのかが判らない。 また、労働の労苦性につき、極端な時間拘束と対価性の欠如・不足以上に、労働による承認欲求などをことさら問題にする本書のスタンスを見ると、このスタンスが自由なる労働との触れ込みで派遣・請負の亢進に繋がらないか、という懸念も見え隠れする。 すなわち、現代社会においてかなりの人々には、広義の労働しか稼得手段が付与されていない一方、労働需要側の立場のみ擁護しがちな21世紀における労働者政策・制度の改変傾向とに鑑みれば、本書のような労働労苦論が却って仇となる気がしないではない。
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