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心ひき裂かれて 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店/ |
発売年月日 | 1998/09/25 |
JAN | 9784042536031 |
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心ひき裂かれて
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
翻訳作品だが、くだけた言回し、乾いた語り口の独特の文章。訳語や言回しに非常に気を使っていることが伺え、翻訳者の個性、表現力が強く作品に滲み出ている。 精神疾患を患う妻、その妻の退院直後のレイプ事件、過去の恋人との経緯と再会、連続レイプ犯との出逢いと確執、レイプ事件の原稿の執筆。精...
翻訳作品だが、くだけた言回し、乾いた語り口の独特の文章。訳語や言回しに非常に気を使っていることが伺え、翻訳者の個性、表現力が強く作品に滲み出ている。 精神疾患を患う妻、その妻の退院直後のレイプ事件、過去の恋人との経緯と再会、連続レイプ犯との出逢いと確執、レイプ事件の原稿の執筆。精神的にバランスを欠く主人公の一人称の語りで綴られる物語。それと翻訳文が良くマッチしている。 妻やレイプ犯など、精神のバランスを欠く人物が多数登場し、その精神分析が行われているが、主眼は主人公の精神分析である。 最後の第三部になると、主人公と警部補との心理戦が展開され、文庫本の418ページで予想外の指摘がなされ、驚かされる。さらに、439ページでも驚きの指摘がなされ、さらに最後で事件の核心となる<罪意識>に関する真相が明かされる。 まさに、「予想の斜め上」を行く真相である。
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ラスト数ページで背筋がゾッと凍りついた。 叙述だとあらかじめ分かっていたのに、我孫子武丸の「殺戮に至る病」以来の衝撃である。 果たしてこんな事あり得るのか…?あり得ない、と思いつつもありえなくもない、とも思えてしまうのがなんとも。
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サイコ・スリラーと言っても、猟奇的な事件が起こるわけでもないし、レクター博士みたいな犯人が出てくるわけでもない。ストーリーの巧みさと、深層心理のえぐり方で読ませる作品なのだ。 小説家志望の主人公、情緒不安定な妻、かつての恋人との再会、とまあ、よくある三角関係の構図ではあるが、ス...
サイコ・スリラーと言っても、猟奇的な事件が起こるわけでもないし、レクター博士みたいな犯人が出てくるわけでもない。ストーリーの巧みさと、深層心理のえぐり方で読ませる作品なのだ。 小説家志望の主人公、情緒不安定な妻、かつての恋人との再会、とまあ、よくある三角関係の構図ではあるが、ストーリーが膨らめば膨らむほど、彼らは精神的に追い詰められていく。だんだん霧が深くなるような、そんな、見えない狂気と悪意に逃げ場を塞がれる不気味な空気感が、ある意味心地よかった。 ラストの展開は読み応え抜群。徐々にページ数がなくなる中でどうやって終結させるのかと思っていたら、ラスト二行で、全くの死角から予期せぬ一撃に見舞われた。インパクト大のフィニッシング・ストローク。このラストのために逆算して緻密なストーリーを構築していたことには素直に脱帽。 でも、時間が経つにつれて何故かモヤモヤ感が大きくなる。一撃の陰に隠れてしまったが、全部スッキリ解決というわけではない。サイコ・スリラーであって、本格ではないってことか。
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