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辺境・近境
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1998/04/23 |
JAN | 9784103534082 |
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商品レビュー
3.9
24件のお客様レビュー
村上春樹さんのエッセイは、以前別の本を手に取り、あまりにつまらなくて(失礼)挫折した経験がある。 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は大変に面白くて、のめり込むように読んだけれど、ブーム?になった「ノルウェイの森」はいたって退屈で、この物語の良さが全然分からなかった。...
村上春樹さんのエッセイは、以前別の本を手に取り、あまりにつまらなくて(失礼)挫折した経験がある。 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は大変に面白くて、のめり込むように読んだけれど、ブーム?になった「ノルウェイの森」はいたって退屈で、この物語の良さが全然分からなかった。たぶんわたしが若過ぎたんだ思う。 そんな苦手意識のある著者のこの本を手にしたのは、題名とカバー写真に気を惹かれたから。パラパラっと軽く文字を追うと、わたしにも面白い。 発行が1998年だから、村上さんのかなり昔の作品ということになる。 が、読みやすくてとても面白かった。 読みやすいのに驚いた。笑 印象に残ったのは、メキシコ大旅行と、カバー写真にもなった、ノモンハン鉄の墓場。 特にノモンハンは、著者がずっと熱い興味を持っていた土地で、その歴史など分かりやすく解説もしてくれている。 中国で日本が戦争を行なったこと、満州国という国を半ば無理やり作ったこと、中国の人々を兵隊・民間人区別なく虐殺していること、戦争に負けてソビエト軍に辛酸を舐めさせられたこと、くらいはなんとなく知っている。 著者の考察も鋭いし、分かりやすい。 日本独特の戦争観=世界観がノモンハンの4ヶ月弱の局地戦でソビエト軍に完膚なきまでに撃破され蹂躙されたにも関わらず、軍指導者はそこからほとんど何一つとして教訓を学びとらなかったこと。結果として太平洋戦争では二百万人を越す兵士が戦死した。 消耗品として極めて効率悪く殺されていった、という表現が、ちょっと歴史をかじったわたしには深く突き刺さる。 日本軍はノモンハンの要塞を作るために強制的に地元の人を働かせ、口封じにその後殺した。その人数ははっきりとしないが、一万人であっても二千人であるにしろ、その数字の変化によって今ここにある自体の本質が大きく変わる物ではない、との言及にも唸った。 うっすら感じていたこと、言語化できていなかったことが、はっきり言葉になった。 評価の高い作家さんって、こういう側面も持つんだ。 面白かったのは、モンゴルの解放軍の招待所のトイレが悲惨な状態になっていたところ。インド旅行でのトイレ状況を思い出した。 アメリカ大陸を車で横断した話しは、片岡義雄さんの世界を彷彿とさせた。 香川で讃岐うどんを食べまくった話には笑った。 デープなうどん屋さん、今もあるのかな。
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とても端正な文章で 色んな土地の紀行文 考えさせられたり ほっこりしたり 思考の断片のようなものが さらりと書かれていたりして 興味深い 単行本で読めて良かった まなみ古書店にて購入
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村上春樹に苦手意識があったけどこのエッセイは普通に読んでて笑い声が漏れるやつ。 春樹さんの中では一番好きだなあ。
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