人形になる

矢口敦子(著者)

• 内容紹介: 内容:人形になる. 二重螺旋を越えて
• 販売会社／発売会社: 中央公論社/
• 発売年月日: 1998/05/07
• JAN: 9784120027925

商品レビュー

2018/05/23

人形のような女への偏執狂的な愛と、それを最後に受け入れようとする女。重度の身体障害であるが故に、あきらめていた「恋」を、妖しく切なく描いた表題作ほか二重螺旋を超えてを収録。平成九年度女流新人賞受賞作。

萩尾望都のエッセイを読んで気になって借りた本(だったような気がする。)
むなしさだけが残った感じ。

2015/04/18

おそらくこの小説は私を傷つけるだろう予感はしていた。たまに、自分を痛めつけるようなマゾヒスティックな読書がしたくなる。これもわかっていて手を出した一冊。
私自身がそう遠くない将来、酸素吸入を必要とする体になるだろうし、車椅子の可能性もある。だから「誰かの役に立てるのか」という命題は常に頭の隅にある。
その命題を真っ向からテーマにしていると読むか、夢野久作的なグロテスクなメルヒェンとして楽しめばよいのか、作者の意図が計れない。ただ、作者のプロフィールを知ることで、私のなかでは納まりがついた。

代替可能ではなく唯一無二のお人形として愛するのなら、それは純愛だ。どんな意味に於いても〈わたし〉が壊れたときは、双一郎さんも一緒に死んで欲しい。乱歩の『ひとでなしの恋』のように。

2008/05/22

思い病気で一人では身動きが取れない女性が、
友人の彼に思いを寄せる。

封印していた「恋」を解き放ち、
こんな自分にも幸せが訪れるのだと。。。

しかし、それは、求めていた愛とは違っていた。。。

彼が求めているのは、「人形のような女」。。。
それでも、彼女は、その愛を受け入れようとする。。。

ちょっぴり妖しく、切ない、モノガタリ。。。