華厳経をよむ 仏のさとりと菩薩の実践広大・壮麗な宗教宇宙 NHKライブラリー

木村清孝(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本放送出版協会/
• 発売年月日: 1997/05/16
• JAN: 9784140840535

商品レビュー

2012/05/05

　南都六宗を記憶したことはあるが、それぞれの依拠する経典について理解することなどまるでなかった。

　（１）華厳を「かげん」などと読まずに「けごん」と読むには、日光の「華厳の滝」が貢献しているという。「七処八会三十四品」の理解と経典の訳により、「六十華厳」「八十華厳」「蔵訳華厳」の訳本の存在を解することからはじめる必要があるらしい。

2011/02/28

コータンに戻ってきました。
中国華厳教学ではなく、『華厳経』そのものにしばらくこだわってみます。
まずは、この本の復習です。

◆2011年5月に学んだこと
○七処八会と三十四品との関係？
1.寂滅道場会　
(１)世間浄眼品　さとりの眼で見た世間の章
(２)盧舎那仏品　盧舎那仏の章
2.普光法堂会
(３)如来名号品　仏の名の章
(４)四諦品　四つの真理の章
(５)如来光明覚品　さとりの光の章
(６)菩薩明難品　真実の解明の章
(７)浄行品　浄らかな行いの章　
(８)賢首菩薩品　賢首菩薩の章　
3.トウ利天宮会
(９)仏昇須彌頂品　スメール山の頂への章
(10)菩薩雲集妙勝殿上説偈品　妙勝殿の菩薩たちの詩の章　
(11)菩薩十住品　十住の境地の章　
(12)梵行品　浄らかな実践の章
(13)初発心功徳品　発心の功徳の章
(14)明法品　法の説示の章
4.夜摩天宮会　
(15)仏昇夜摩天宮自在品　ヤマ天への章
(16)夜摩天宮菩薩説偈品　ヤマ天宮の菩薩たちの詩の章
(17)功徳華聚菩薩十行品　十行の境地の章
(18)菩薩十無盡蔵品　無尽の宝の蔵の章
5.兜率天宮会
(19)如来昇兜率天宮一切宝殿品　トシタ天への章
(20)兜率天宮菩薩雲集讚仏品　仏を讃えるの章
(21)金剛幢菩薩十廻向品　十廻向の境地の章
6.他化天宮会
(22)十地品　十地の境地の章　
(23)十明品　十種の智慧の力の章
(24)十忍品　法の体得の章
(25)心王菩薩問阿僧祇品　数の単位の章
(26)寿命品　仏の国の時間の章
(27)菩薩住処品　菩薩の住処の章　
(28)仏不思議法品　法の不思議の章
(29)如来相海品　仏の姿の章
(30)仏小相光明功徳品　光を放つ身体の章
(31)普賢菩薩行品　普賢菩薩の実践の章　
(32)宝王如来性起品　真実の法の章
7.普光法堂重会
(33)離世間品　菩薩の実践の総括の章
8.重閣講堂会
(34)入法界品　仏の世界に入るの章

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◆2011年2月に学んだこと
○華厳経のテーマ
メイン：さとり
サブ1：仏のさとりの世界の本質と様相
サブ2：仏の世界に至る実践法
サブ3：善財童子の物語による菩薩の道の具体的な展開を提示

○構成
一大宗教歌劇。
七処八会(7つの場所、8つの場面)。
舞台は地上から天上へ、また地上へ展開。
盧舎那仏が常にステージの中央に位置し、無数の菩薩と神々、そして人々が囲んでいる。

○歴史
西暦400年前後、西域コータンで編纂された。
十地品や入法界品は、それ以前から独立した経典として流布していた。

○広がり
中国：五世紀はじめに伝授。七世紀末に華厳宗が成立。
朝鮮半島：七世紀後半、新羅に伝授。
日本：736年伝授。国分寺と東大寺の大仏。
インドネシア：八－九世紀、聖跡ボロブドゥール。