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プラトン対話篇 ラケス 勇気について 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1997/04/10 |
JAN | 9784061592766 |
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プラトン対話篇 ラケス
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商品レビュー
4.2
7件のお客様レビュー
プラトン得意の対話編…
プラトン得意の対話編。テーマは「勇気とは何か?」です。プラトンのイデア論(あらゆるものには本質(イデア)があって(という前提)、それを探求するのが哲学である)を対話方式でわかりやすく展開されます。それにしても、ソクラテスの誘導尋問は恐ろしいです。
文庫OFF
初期プラトンで文庫本で読めるのは3冊かと思っていたら、もう1冊、発見。 ついでに、読んでみる。 と、これは面白い。個人的には、ここに描かれているソクラテスこそ、自分のイメージするソクラテスであった。 つまり、ソクラテスというと、対話を通じた探求というか、「知らないこと...
初期プラトンで文庫本で読めるのは3冊かと思っていたら、もう1冊、発見。 ついでに、読んでみる。 と、これは面白い。個人的には、ここに描かれているソクラテスこそ、自分のイメージするソクラテスであった。 つまり、ソクラテスというと、対話を通じた探求というか、「知らないことを知る」ことを追求した哲学者ということになっているし、「ソクラテスの弁明」でも、本人がそういったことを述べている。 が、実際にプラトンの対話篇を読むと、ソクラテスは結構、詭弁的な理屈を振り回すし、対話の相手への尊重があまり感じられない。何よりも確信をもって演説したりするわけで、どこが「無知の知」なのか、分からないのだ。 それに対して、この「ラケス」でのソクラテスは、なかなか、うまいファシリテーションをやっている。演説はしないし、対話の相手の論を深堀していくのだが、相手に対する尊敬の念が感じられる。また、真理をともに探求していくことに対して、相手を勇気づけ、励ましている。 「ラケス」の主題は、まさにその「勇気」についてで、対話の結果としてでてくるのは、「我々は勇気がなんであるのか知らない」であるのだが、ソクラテスが知識を勇気をもって探求する人であることが、さりげなく暗示されているわけだ。 ソクラテスについて学びたい人が、「ソクラテスの弁明」の次に読むべき本は、この「ラケス」かもしれない。
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ある日、リュシコマスはラケス、ニキアスの2将軍を招き、息子に重武装武闘術を学ばせるべきかどうかを問うた。ん!?そうか、今回のお題は重武装武闘術を学ぶべきかどうかかあ。(笑) それに対してニキアス、ラケスはそれぞれ「役に立つし勇敢にもなる」「いや無駄だし有害」の相反する答えを行う。...
ある日、リュシコマスはラケス、ニキアスの2将軍を招き、息子に重武装武闘術を学ばせるべきかどうかを問うた。ん!?そうか、今回のお題は重武装武闘術を学ぶべきかどうかかあ。(笑) それに対してニキアス、ラケスはそれぞれ「役に立つし勇敢にもなる」「いや無駄だし有害」の相反する答えを行う。そこにひょっこり付いてきていたソクラテスは意見を求められると、2将軍はその質問に正しい答えを出せるだけの専門家か?という失礼な話をし出す。(笑)そしてその専門家とは結局のところ、AにBを加えれば優れたものになるのを知っているもの、すなわちそうした「徳」が何であるかを知っていて話すことができる者であるというソクラテスお得意の問題のすり替えを行う。やはりそうなるのね!(笑)そして、さらに「徳」をお題にするのは難しいので、重武装武闘術ならそれに関連して「勇気」が「徳」の一部だろ!とさらに問題をすり替える。(笑) 「勇気とは何か」。ラケスいわく「敵から逃げない者だ」。「いやいやわざと逃げて勝利する場合もある」(ソクラテス)。「では思慮ある忍耐強さだ」(ラケス)そこで、ソクラテスはお得意の誘導尋問で、「勇気ある者は思慮に欠ける」という矛盾した答えをラケスに導かせてしまう。ラケス失格(笑)。 ニキアスいわく「恐ろしいことと平気なことについての知識」が「勇気」だ。ラケスはニキアスの足を引っ張るべくソクラテスの尻馬にのって次の反駁を加える。(笑)「ライオンには勇気がないというのか」(ラケス)。「あれは単なる恐いもの知らずなだけで、勇気とは違う」(ニキアス)。そこで御大ソクラテスは次の論証を行うことになる。「勇気」は徳の一部であるが、恐ろしいことと平気なことについての知識を持つものはあらゆる善悪の知識を持つ者であり、「勇気」だけではなく「節度」「正義」「敬虔」の徳も併せ持つということだ。つまり、ニキアスのいう「勇気」の定義は「徳」全体のことであり、「勇気」だけの定義ではないので、依然として「勇気」とは何かはわからない。ゆえにニキアス失格。へっ!?(笑) ソクラテスいわく「私も「勇気」が何であるかわかりません。みなさんを教える資格はありません」。リュシコマスいわく「ソクラテスさん、明日わが家でまた一緒に考えてみましょう」。リュシコマス、納得するなー!(笑)息子に重武装武闘術を学ばせる件はどうなった!(笑) 本編はかなり短い上に巻末の解題が本書のロジックを懇切丁寧に解説していて、内容が一段とわかりやすくなっています。また、同様のテーマを扱う『プロタゴラス』などの導入篇としても面白いのではないかと思われます。但し、『メノン』『テアイテトス』などと同じく本書内ではそのものの結論は出ず、「議論してもよくわからなかった」というのがオチなので(笑)、本書ではその哲学ロジックを楽しみましょう!
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