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桃尻娘 橋本治小説集成1
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 1997/02/14 |
JAN | 9784309603711 |
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桃尻娘
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桃尻娘
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商品レビュー
4.4
5件のお客様レビュー
「ナウ」って冗談で言ってんのかと思ったらどうも本気っぽい。それもそのはず1978年刊行というのだから何だかそらおそろしい。 そんなわけで桃尻娘の「現代的女の子口調」=「桃尻語」でかたられる表題は、もはやちっとも「現代的」ではないわけで、読みながら「ん? ん?」とつまずくこと請け合...
「ナウ」って冗談で言ってんのかと思ったらどうも本気っぽい。それもそのはず1978年刊行というのだから何だかそらおそろしい。 そんなわけで桃尻娘の「現代的女の子口調」=「桃尻語」でかたられる表題は、もはやちっとも「現代的」ではないわけで、読みながら「ん? ん?」とつまずくこと請け合いなんだけど、けどそういうのもなんか楽しいよね。 うん。「なんか楽しいよね」に集約されてしまう本だな。 たぶん正統的な「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の系譜にあたるとぼくは思うのですが、そういう意味では子供の主体になりきることで、大人が「ふつう」とみなしてるところの(地域)社会を相対化する効果が見事に成功していて、読みながら「うんうん」とうなずいてしまう。 と共に、(女になりきれない)女の子、(男になりきれない)美少年、そんでもってオカマ、無自覚な淫婦……と、性としてちょっとあやふやな登場人物たちをあつかっていることから、性にまつわる「ちょっとなにそれ!」にもツッコんでいきながら、全体としてやっぱり喜劇なのが好感をもてるし、しかしだからこそその安定感というか完成度の高さが、「ちとつまらんなぁ」につながってしまうというか、橋本治という作家はやはりヘンなのだ。 おかまの木川田くん一人称の「瓜売小僧」がじぶんとしては思わぬヒット。 学校では公然とおかまと呼ばれていて、なよなよした後輩のおかまくんにファンレターなんてもらっちゃうんだけど、「そんなあからさまにおかまでお前はずかしくないの?」って突き放しちゃって。 木川田くんはバスケ部の先輩にぞっこんなんだけど、まわりから揶揄されてもおかまいなし。硬派なんだよね。「やっぱり恋愛ってもんはもっと崇高なもんだろ」なんつって。なかぬ蛍が身を焦がすですね。 じぶんを慕ってくる後輩と寝ちゃったあとで、後輩が「お兄ちゃんお兄ちゃん」なんて呼ぶと、「そんなふうに呼ぶんじゃねえ。おれだって先輩のことお兄ちゃんって呼びたいしかわいいって言われたい」とか、あぁ、いいなあ……とかあれ、変態? 結局後輩と寝てるのを親父に発見され、先輩と喫茶店に入ったところで親父といちど寝たことのあるおっさんと鉢合わせ……というカタストロフに向かっていくわけですが、この「まさに喜劇そして悲劇」というのが、もうたまらんなと。 ひさしぶりにいい変態だった。いい変態になれた。やっぱり星5にしておこう。
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同性愛とか、中絶とか、決して軽くはない話題も盛り込まれているけれど、ユーモアで明るく楽しく、ノリのいい小説だ。 続編がたくさんあるようなので、彼女たちのその後が気になる。 そして、この感じで、枕草子があるというんだから、いつか読まなくちゃ!
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橋本治の批評文は結構読んだが、小説を読んだのは今作がはじめて。で、どう思ったかというと、橋本治を知らなかったら、これを書いたのは絶対に女性だと決めつけていただろう。この共感能力は日本の作家でも群を抜いているといって大過ないようだ。紀貫之も自分以外の女性作家に仮託して書いた。そう...
橋本治の批評文は結構読んだが、小説を読んだのは今作がはじめて。で、どう思ったかというと、橋本治を知らなかったら、これを書いたのは絶対に女性だと決めつけていただろう。この共感能力は日本の作家でも群を抜いているといって大過ないようだ。紀貫之も自分以外の女性作家に仮託して書いた。そういったことが、高いレベルでできる人がいるということはどういうことか考える必要があるだろう。
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