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ディートリッヒ(下)
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ディートリッヒ(下)

マリアライヴァ(著者), 幾野宏(訳者)

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ディートリッヒ(下)

定価 ¥3,850

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 1997/01/30
JAN 9784105345020

ディートリッヒ(下)

¥550

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2017/08/17

上下巻で1200ページ超になるがまったく飽きさせない。 自分をより美しく、より印象的に見せる為にディートリッヒが 注ぎ込むエネルギーには驚愕させられる。 衣裳の細かいディティールや素材にこだわり映画会社の 倉庫をひっくり返す。本物のジプシーのような黒い瞳を 表現しようと点眼薬...

上下巻で1200ページ超になるがまったく飽きさせない。 自分をより美しく、より印象的に見せる為にディートリッヒが 注ぎ込むエネルギーには驚愕させられる。 衣裳の細かいディティールや素材にこだわり映画会社の 倉庫をひっくり返す。本物のジプシーのような黒い瞳を 表現しようと点眼薬で瞳孔を開かせる。 ひとり娘を出産した後は夫と別居し、男女問わず多くの愛人を 作り、しかも同時期に複数の愛人を持つ。しかし、その愛人たちが 他の愛人に嫉妬する理由がディートヒッリには理解出来ない。 50歳を超えてもユル・ブリンナーの子供を授かることを望み、 フランスへ去ったジャン・ギャバンに焦がれる。 「ディートリッヒ」が「ディートリッヒ」としてある為には、事実 さえも都合よく話を作り上げ、いつしか真実よりも自分で作り上げた 話が事実だと信じ込む。 著者はディートリッヒのひとり娘だが、多くの愛人たちとの関係も 露悪的ないやらしさもなく、「それでどうなるの?」と興味深く読ま せてくれる。 「世界はディートリッヒの為にあり、ディートリッヒは賛美させて 当たり前」と思っている母を持つって大変だな。 子供の頃は母が都合よく娘の年齢を変えるので実際に自分が何歳 なのか戸惑ったり、学校に通う年頃になっても「娘は2ヶ国語を話せる のよ!」との主張で学校へも行かせてもらえない。 父の計らいでやっとスイスの寄宿学校へ入ったと思いきや、授業中で あろうがテスト中であろうが、ひっきりなしに母からの電話が入り、 映画の撮影に入れば身の回りの世話の為に撮影現場に呼び出させる。 成長し家庭を持つようになれば、母は愛人たちから送られてきた手紙を 娘に送って寄越し、脚の不具合を癌ではないかと疑った娘が治療を進め ても頑として受け付けない。 周りの人間を振り回し、「貞淑な妻、母性溢れる母」のイメージを作り 上げ、自分で自分の伝説を作り上げて行ったディートリッヒ。冷静に 見れば「盛大なハタ迷惑」なのだろうが、彼女の魅力はそれを補って 余りある。 死後、ディートリッヒの遺体は、最後まで離婚することはなかった夫の 眠るアメリカではなく、自分の母の眠るドイツに葬られる。埋葬後、 祖母の墓前で孫は語りかける。 「母にやさしくしてあげて。母にはあなたからやさしくされることが 必要なのよ」。 ◎な良書であるが、版元品切れ・重版未定なのが残念。

Posted by ブクログ

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