素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち

アーシュラ・K.ル・グウィン(著者), 村上春樹(訳者), S.D.シンドラー

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 1997/06/25
• JAN: 9784062081504

商品レビュー

2024/06/11

空飛び猫の第3弾。
何不自由ない暮らしをしていた翼のない（所謂普通の猫の）アレキサンダーが「なにか素晴らしいことをやってのけよう」と家を出て外の世界に旅立つ物語。
序盤を読んだだけだとこのアレキサンダーはお調子者というか、妹猫に対して偉ぶったりしている様子が「井の中の蛙大海を知らず」を思い起こさせました。が、外の世界で痛い目を見てジェーンに助けられて（ジェーンが木から降りられなくなっていたアレキサンダーを見つけたのは偶然だったのか？という疑問はありますが）「素晴らしいことをしたのはジェーンだ」と思えるところが素晴らしいと思いました。そして翼のないアレキサンダーが翼のあるジェーンに対して「素晴らしいこと」をするのですが、この辺のやり取りはちょっとあっさり目だったかなーと思いましたが、原著でもそうなのかな…。でも、「素晴らしいこと」についてちょっと考えさせられました。相手より優れていることが「素晴らしい」のか？後半のアレキサンダーのように、相手を思い、相手の助けになることをするのが「素晴らしい」ことなのかな。

2020/07/13

世間知らずだけれど、純真で真っ直ぐなアレキサンダーがかわいかった。
ジェーンとのやりとりが、ほっこりする。
弱いところも見せあえる、いい関係だと思う。
「夜はやさし」を読んでみたくなった。

2019/03/09

かわいい生意気な子猫ちゃん。出来ること＝すごい、という固定観念を変えていくお話です。かわいい中にもメッセージ性があり、小学校高学年くらいから読めそう。最後の村上春樹さんの訳注が文化的な背景やエピソードなどを交えてあり、面白かった。