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西田哲学の再構築 その成立過程と比較思想 Minerva21世紀ライブラリー36
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西田哲学の再構築 その成立過程と比較思想 Minerva21世紀ライブラリー36

平山洋(著者)

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西田哲学の再構築 その成立過程と比較思想 Minerva21世紀ライブラリー36

定価 ¥3,300

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ミネルヴァ書房
発売年月日 1997/05/15
JAN 9784623027354

西田哲学の再構築

¥990

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2011/02/13

若き日の西田幾多郎が独自の思想を形成してゆく過程を、未定稿などの資料に基づいて明らかにした研究書。専門的な研究書ではあるものの、たいへん整理された叙述になっていて読みやすい。第一編は若き日の西田の伝記的研究、第二編は西田の前期思想の形成の研究、第三編は西田と大西祝、綱島梁川、ショ...

若き日の西田幾多郎が独自の思想を形成してゆく過程を、未定稿などの資料に基づいて明らかにした研究書。専門的な研究書ではあるものの、たいへん整理された叙述になっていて読みやすい。第一編は若き日の西田の伝記的研究、第二編は西田の前期思想の形成の研究、第三編は西田と大西祝、綱島梁川、ショーペンハウアー、唯識思想などとの比較がおこなわれている。 著者が明らかにしたところによると、西田は最初「直接経験」という概念を「原初的精神状態」として、心理学的に理解していた。ところが、そうした立場ではけっきょくのところ意識が「現実にそうであるということについての説明」しかできず、「そうした意識がなぜ発展するのか」という問題には答えることができない。そこで彼は、唯一実在である意識の根底に、意識が自発自展するための統制者としての役割を果たす「神」の存在を想定するようになる。そうした考察を経たのち、「原初的精神状態」であると同時に、ヘーゲルの「絶対精神」のような「意識の体系的発展全体」という特性をもちあわせた『善の研究』の「純粋経験」の概念が生まれた。純粋経験は、ついに「神」そのものに近づいたのである。 さらに著者は、こうした異なる特性を同時に抱え込んでいた「純粋経験」という概念の矛盾が、その後の西田の思索の歩みを規定しているという。『自覚に於ける直観と反省』で西田は、すべての意識統一の根底となる「自覚」という作用が存在すると考えることになる。「自覚」は、自己が自己を反省するという仕方で無限に進んでゆくことによって、事実から意味を、意味から事実を生み出すとされており、その中で純粋経験のでは齟齬を来たしていた心理主義的直接経験の側面と論理主義的絶対精神の側面が統一されている。 第三編の比較研究の中では、大西祝、綱島梁川との比較は興味深かったが、ショーペンハウアーや唯識思想との比較に関しては、やや恣意的に比較対象が選ばれているような印象を受けるのだが、どうなのだろうか。

Posted by ブクログ

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