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ハイデガーとサルトルと詩人たち NHKブックス810
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会 |
発売年月日 | 1997/10/22 |
JAN | 9784140018101 |
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ハイデガーとサルトルと詩人たち
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サルトルの「新しい読み」を提示する試みが多い中で、本書は、ハイデガー哲学を継承する実存の哲学という伝統的なサルトル解釈の枠組みに準拠しつつ、魅力的なテーマを発掘した快著だ。 ふつう、言葉は意味を伝達する記号として用いられる。だが詩人にとって言葉は、リズムや響きをもつ「もの」だ。...
サルトルの「新しい読み」を提示する試みが多い中で、本書は、ハイデガー哲学を継承する実存の哲学という伝統的なサルトル解釈の枠組みに準拠しつつ、魅力的なテーマを発掘した快著だ。 ふつう、言葉は意味を伝達する記号として用いられる。だが詩人にとって言葉は、リズムや響きをもつ「もの」だ。それはちょうど、画家にとっての絵具と同じである。ティントレットの描いたゴルゴタの黄色い空は、苦悩を意味しているのではなく、黄色が苦悩そのものである。画家は、絵具という「もの」を用いて苦悩を捉える。詩人もまた、実在の世界に罠を仕掛けて獲物を捕えるように、現実の中の「もの」である言葉を用いて、現実を超えたものを捉えようとする。 ところでサルトルは、ランボーやブルトンの詩は膨張性の詩であり、マラルメやジュネの詩は収縮性の詩だという。ブルトンは、詩によって現実の中に超現実を呼び入れる。彼にとって超現実の世界は、現実以上のリアリティをもっている。だがジュネにとって、現実の彼方にあるのは、現実のすべてを「無」に変える「悪霊」であった。ジュネはこの悪霊によって自己が解体され「見せかけ」となる苦難を引き受ける。そうすることで、あたかも森の中に一人の泥棒が潜んでいると森全体が泥棒の住みかに見えるように、この現実が「無」へと溶けだしてゆく。ジュネの詩においては、世界は「もの」の存在で充満している。それでありながら、存在が無によって侵食されていることが示される。しかもそれは、現実の世界に存在する「もの」の一つである言葉を用いることによってなされているのである。 こうした解釈は、ハイデガーの後期思想に多少とも触れたことのある読者には親しみやすいと思う。だが、本書のハイデガー哲学の紹介はあまり読者に親切でない。また著者は、ハイデガーとナチズムをめぐる問題にも触れているが、詩論という観点からこの問題にアプローチすることは一面的だといわざるをえない。本書のサルトル解釈が魅力的なだけに残念だ。
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