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西田幾多郎をめぐる哲学者群像 近代日本哲学と宗教 Minerva21世紀ライブラリー37
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 1997/06/30 |
JAN | 9784623027361 |
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西田幾多郎をめぐる哲学者群像
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西田幾多郎とスピノザの思想の比較をおこなった第1部と、西田との関わりの深い近代日本の哲学者の思想を扱った第2部から構成されている。 西田とスピノザの共通点として著者があげているのは、全体的一と個物的多との相即的・同性的関係である。このことは、スピノザの場合は「神に対する知的愛」...
西田幾多郎とスピノザの思想の比較をおこなった第1部と、西田との関わりの深い近代日本の哲学者の思想を扱った第2部から構成されている。 西田とスピノザの共通点として著者があげているのは、全体的一と個物的多との相即的・同性的関係である。このことは、スピノザの場合は「神に対する知的愛」に、西田の場合は「絶対無の自覚」の思想に見て取ることができると著者はいう。スピノザの「神に対する愛」は、人間精神の神に対する愛であると同時に神の自己自身に対する愛であり、西田の「絶対無の自覚」は、宗教的意識である自己の絶対無の自覚であると同時に絶対無の場所自信の自覚だと考えられている。 だが、両者の思想には微妙な違いもある。スピノザのばあい、個体的多の自己滅却によって普遍的一へと還帰する方向に重点が置かれているのに対して、西田哲学ではむしろ、普遍的一が自覚的限定によって個体に顕現するという方向に重点が置かれていると著者はいう。 ところでこうした西田の発想は、歴史の一瞬一瞬が「永遠の今」に触れているという彼の時間論と密接につながっている。だが、このように歴史における瞬間を永遠の今の自己限定の諸相として自覚するということは、現在を絶対化し神聖化することであり、その結果として歴史的実践の意義を軽視することになりがちになる。こうした西田の考えは、スピノザとは異なり、単なる静寂主義でも観想主義でもないとはいえ、やはり実践を通じての進歩や発展の観念が希薄であることは否定できないと著者は指摘している。 第2部では、西田幾多郎と、田辺元、高橋里美、三木清、和辻哲郎、久松真一らの思想の比較がおこなわれている。
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