月の魔力

アーノルド・L.リーバー(著者), 藤原正彦(訳者), 藤原美子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 東京書籍/
• 発売年月日: 1996/10/26
• JAN: 9784487761678

商品レビュー

2015/12/31

HOW THE MOON AFFECTS YOU
Originally title: The Lunar Effect - Biological Tides and Human Emotions
http://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/76167/ ,
http://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/80472/

2010/05/19

－月の影響は、われわれの周囲のいたるところに及んでいる。
月はその引力により、潮の満ち引きを引き起こす。体内に８０%の水分を持つ人間の生体にも「生物学的な潮汐」が起きており、このリズムを通して生命体は宇宙と結びついている－
月が人に及ぼす影響を科学的に調査・研究してきた著者が展開するバイオタイド理論。

時や場所によりその姿を大きく変える月には、なにか神秘的なものを感じてしまいます。ある程度の知識を持っている現代の私でさえそうなのですから、科学が発達していなかった時代の人々にしたらなおさらでしょう。月に対する神話や言い伝えが数多く残されているのもうなずけます。なかでも有名なのは『狼男』でしょうか。著者の調べたところによれば、満月と新月時には暴力的な事件が増え、精神病棟でも問題が多く起こるといういう結果に。『狼男』はそのような満月時に凶暴化した精神患者をみて生まれたのではないか？と推察しています。伝説などには元となったような風習や出来事がある場合があるというのは分かるので、それはそうかも・・と思えるのですが、そこで終ってるんで。
科学的にというなら、なぜ？の部分まで突っ込んでほしかったですね。なんだかそれほど目新しい発見はなかったような。ただ、統計って取る側の思惑で何とでもなるんだな、というのが逆に残ってしまいました。
サイエンスも超常現象も好きなので（相通ずる部分もありますよね）、どっちよりの理論でもＯＫです。理論戦わせるのはいいですが、自分の主張を正当化するために、根拠もなく相手側を否定するのはいただけません。が、科学書と謳っておきながら冒頭で、「本書に対し、否定的な言動をとった方々が不可解な死を遂げた」という記述には興ざめでした。オカルト的立場からいっても、そのようなことはかえって胡散臭くなってしまうのでＮＧです。これにより意欲が格段にダウンしたことは否めません。

2007/06/01

月はその引力により、満潮・干潮を引き起こす。人間の体内水分は80%。生体にも潮汐作用が起きているのではないか。この「生物学的な潮汐」こそ、人間の行動と感情の鍵であり、このリズムを通じて生命体は宇宙と結びついている―という壮大なバイオタイド理論を展開して、科学のフロンティアを切り開いた本書は、知的興奮に満ちみちている