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富国弱民ニッポン
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 広池学園出版部/ |
発売年月日 | 1996/11/20 |
JAN | 9784892053993 |
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富国弱民ニッポン
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
YouTubeのCMで時々目にする西鋭夫氏。何を訴えているかというと、このままの日本で良いのかという事だ。本書は1996年で20年以上前だが、今と変わらぬ強い論調で日本を憂う。 アメリカから報復で受けたスーパー301条、湾岸戦争で資金提供のみで済ませた日本など、懐かしい話が並ぶ...
YouTubeのCMで時々目にする西鋭夫氏。何を訴えているかというと、このままの日本で良いのかという事だ。本書は1996年で20年以上前だが、今と変わらぬ強い論調で日本を憂う。 アメリカから報復で受けたスーパー301条、湾岸戦争で資金提供のみで済ませた日本など、懐かしい話が並ぶ。著者は、湾岸戦争が日本の弱さ、すなわち日本の精神の不在を世界にさらけ出した大事件だと思っていると述べるが、この点はその通りかもしれない。 ー 鶴見氏は、マッカーサーの日本人評価は「的を射ていた」というが、日本文化はそれほど欧米の文化に後れを取っていたのか、それほど劣っていたのか。ナチス・ドイツの国民は熱狂的にヒットラーを支持し、ヨーロッパを踏みにじり、ユダヤ民族の抹殺に全力を尽くしたが、彼らは四十五歳で、日本人は十二歳か。日本は原子爆弾を造る科学技術は持っていなかったが、芸術文化に関しては、マッカーサーの言う「近代文明の尺度」で計っても世界の華である。この証言を読んで、日本人は何も誤解することはない。マッカーサーの言ったとおり、日本人は「十二歳の少年」と侮辱されたのだ。 鶴見氏とは鶴見俊輔の事だ。そちらの言い分を正しく理解せぬので何とも言えないが、別の本では、井沢元彦も、「屈辱的発言」とした上で、平和が維持されるという言霊信仰に陥り、軍隊であるにもかかわらず自衛隊と呼ぶことで、戦いと死の穢れから自由になっていると思い込む、国防という観点で的を射ていると評価する。民主主義的基準に照らせば、天皇制に象られた教育制度や政治制度が12歳並みに見えたという点は、特に否定すべくもない気はする。ドイツの方が成熟しているかというと、それは違う気もするが。 ー アメリカさん、どうしましょう”と泣きついてくる」といきまく。彼らの「日本は甘え切っている」と言う憤癒やるかたなしの一言は、確かに国防問題に関し、日本の現状の的を射ていると思う。古い話になるが、その良い例が、昭和五十六年の五月中旬に起こったアメリカ第七艦隊の核兵器の日本への持ち込み暴露事件である。駐日大使を務め、当時ハーバード大学教授であったライシャワーが、「一九六〇年、安保条約協定以後、米海軍は核兵器を日本政府と事前協議もなくたびたび持ち込んでいたし、今現在でも持ち込んでいるであろう」と発言したため、今まで全人類の永久平和と繁栄の白昼夢を見ていた日本国民は、度肝を抜かれた。 こうしたアンチ自虐史観論も良いのだが(思想的に否定する所もない)、ただそれ以上に、著者の米国留学の話は面白かった。 ー 私の場合、発言の仕方、適切な使い方を知らないまま、たくさんの単語を知っていたので、一年たって聞き取れ出した時、突然「新しい世界」に入り込んだようになった。私は英文は読めたが、読むスピードが遅かった。私は大学院の授業が始まって二か月ほどして、とてもついて行けないので、エデルスタイン教授に「読むページを少なくしてください」と頼みに行った。教授はニコニコとして、「日本へ帰れ」と言った。恥ずかしかった。逃げを打とうとしていたことが情けなく、恥ずかしかった。「帰りたくない」と言ったら、教授は「いったい何時間眠っているのか」と尋ねた。「七時間ほどです」「道理で落第寸前なわけだ。四時間で十分だ」 何事にも努力が必要だという事だが、こうした事も著者のマッチョな思想背景には通底するものと感じる箇所である。
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日本を想う故に手厳しいことも書いていたが、なるほどと思いながら読み進めていった。平成8年に書かれた本だが、古さは感じなかった。。
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