平安王朝 岩波新書

保立道久(著者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 1996/11/20
• JAN: 9784004304692

商品レビュー

2010/05/28

桓武・平城・嵯峨・淳…

[文庫ＯＦＦ]

桓武・平城・嵯峨・淳和・仁明・文徳・清和・光孝・宇多・醍醐・朱雀・村上・冷泉・円融・一条････平安時代の天皇は、国文学上では話題になりますが、政治史上では、藤原氏の陰になって存在感がありません。この書は、それを見直し、平安時代の天皇の存在感を示してくれます。

2024/01/05

保立道久『平安王朝』（岩波新書、1996年）は平安時代の歴史を天皇をベースに記述する。NHK大河ドラマ『光る君へ』の予習になる。
菅原道真は冤罪で左遷されたが、死後に怨霊となった。「天皇をも呪詛しうる「天神」という宗教的観念の登場は、古代の天皇を支えた「天」の思想の生命を、その中枢部において断ち切った」（68頁）。道真が幅広く民衆に信仰された背景には最高権力に歯向かえるところにあるだろう。
安和の変で清和源氏は虚偽告訴で冤罪を作った。これは摂関家の家人としての行動と見られている。これに対して本書は王族として自己の利害関係に基づいたものとする。

2019/06/21

濃いわあ、平安時代…。
藤原氏一色の時代はともかく、後三条期あたりで源氏や平氏が出てくると、もう追っかけきれない。
でもこの本のお陰で、「美福門院・得子」と「建礼門院・徳子」が区別できるようになった私〜。

しかし、こうやって時代を通してみると、上級貴族って天皇家に「美人の血」をせっせと入れてるだけでは、って気がしないでもない（爆）

元服するなり年上の添臥をあてがわれ、周りの大人達から世継ぎ作りのプレッシャーをかけられ続ける歴代幼帝。そりゃ長生きしないわな。
究極は六条。2歳で即位、5歳で譲位、元服前に死去…って、どれだけ周囲の大人の思惑に振り回された人生よ。