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サッチャー回顧録(上) ダウニング街の日々

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本経済新聞社/ |
発売年月日 | 1996/09/17 |
JAN | 9784532162009 |
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サッチャー回顧録(上)
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サッチャー回顧録(上)
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イギリスの第二次大戦後の歴史に興味があった。第二次大戦で大きなダメージを受けたイギリス経済は、戦中体制に似た社会主義的政策をとった。「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれた充実した社会福祉を誇っていたが、一方で鉄鋼や自動車などの基幹産業を国有化したことにより、それら産業は国際競争力を失...
イギリスの第二次大戦後の歴史に興味があった。第二次大戦で大きなダメージを受けたイギリス経済は、戦中体制に似た社会主義的政策をとった。「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれた充実した社会福祉を誇っていたが、一方で鉄鋼や自動車などの基幹産業を国有化したことにより、それら産業は国際競争力を失いつつあり、また、労働組合に過度の権利を与えたため、それら産業での生産性の向上は望むべくもなかった。さらに政府の過度の支出により、財政は当然赤字、政府の資金需要が大きいため金利は上昇し民間企業の資金調達コストを増加させ、また、高金利はポンド高を招き、民間企業の国際競争力をも奪いつつあった。それやこれやで、1970年代の半ばには、ヨーロッパの他の国、例えばフランスやドイツに大きく後れをとり、イギリスは「ヨーロッパの病人」とも呼ばれるようになっていた。マーガレット・サッチャーの保守党が、労働党から政権を奪取し、彼女が首相の座についた1979年時点のイギリスというのは、こういう状況であった、というのが私の理解である。その後、イギリス経済は見事に立ち直り、今に至るも好調である。最初に、私がイギリスの世界大戦後の歴史に興味がある、と書いたのは、ひとつは、なぜイギリスが「ヨーロッパの病人」と呼ばれるようになるまで、経済が衰退してしまったのか、ということとがひとつ。さらに、そういった状態をイギリスはどうやって克服したのか、という2点に興味があったということである。サッチャーが首相の座にあったのは、上述した1979年から1990年までの間のことであり、私の興味の後者、すなわち、いかにしてイギリス経済は蘇ったのか、に大きく関わった人である。そういう興味を持って、この本を読んだのである。本書は、上巻・下巻に分かれており、この上巻はサッチャーが政権をとった1979年からだいたい1983,1984年頃までを扱っている。この間の彼女によっての大きなテーマは、(1)経済の立て直し(2)労働組合との闘い(3)冷戦後期におけるソ連・東側陣営との闘い(4)フォークランド紛争(5)ヨーロッパ共同体(当時はまだECと呼んでいた)におけるイギリスの立場の再構築(6)IRAによるテロ対策、といったところであった。上巻の中で、アメリカの大統領はカーターからレーガンに代わり、日本の首相は大平さんから中曽根さんに代わっている。まぁ、それらを現在から眺めると隔世の感があるわけで、歴史は動いているのだな、としみじみと思ってしまう。感想の続きも下巻で。
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