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平安朝の女と男
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平安朝の女と男
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平安時代にもさまざま…
平安時代にもさまざまな恋愛の形がありました。ふつうの結婚のありかたから初めて、一夫多妻の話、レイプや男色の話など、話のタネになる話題満載。
文庫OFF
平安時代の女性につい…
平安時代の女性について、近代批判ゆえの安易な前近代賛美に陥らずに書かれた良書です。
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◆古代末から中世初期の説話集・小説などを活用し、当時の男女関係、性愛の機微、BLや強姦などタブーに果敢に挑む研究書。ただしフェミ的偏りとマルキシズム段階史観の強調によって招来した実証性の低下はたまにキズ◆ 1995年刊行。 著者は、亜細亜・慶應義塾・千葉・武蔵野女子、青葉学園短...
◆古代末から中世初期の説話集・小説などを活用し、当時の男女関係、性愛の機微、BLや強姦などタブーに果敢に挑む研究書。ただしフェミ的偏りとマルキシズム段階史観の強調によって招来した実証性の低下はたまにキズ◆ 1995年刊行。 著者は、亜細亜・慶應義塾・千葉・武蔵野女子、青葉学園短大他の各大学非常勤講師。 平安時代を中核に、その前後の各時代の男女関係の実につき、性愛・家族・夫婦・愛人ほかの家族関係、また宗教と関連させつつ、男女の出会い、妊娠の他、理想とする女性像とその変遷と共に、現代から見ても規範からの逸脱たる強姦(強制性交)、密通、男色にも触れる。 所有概念などマルキシズム的段階史観の悪影響は感じるし、また家父長制度の確立に関し、例外的事象を過小評価する視点がフェミニスト的偏頗、理由付けの説明に実証性を欠く。などの問題はすぐに見て取れる。 また、古代における男女関係が皇室層を除き男女同権であったという結論を実証なく、批判的検討なしに受入れ、承認する点に、論の運びにおける座り心地の悪さを感じてしまう。 とはいえ、そういう視点の偏頗性の問題を考慮したとしても、平安期・鎌倉期の説話集・文芸作品を広く渉猟し、男女関係を基軸とする家族論や女性像の変遷。さらには日本型家父長制社会が形成されていった(「確立した」とする著者には反対だが、徐々に強化されていったことなら納得)ことの史的な意義を感得することは重要だろう。 また、農耕的豊饒さを機縁とする男女関係儀礼・生殖行為儀礼。平安期、都市(京都)の成立による農耕的祭礼・儀礼の脱色傾向など、割と普通の叙述も展開される。 一方で、性愛・豊穣・縁結びの稲荷神社への参詣の意味や、稲荷神社と狐(化かし合いをする)の関係性など、意外に思う部分も多々ある。 さらにここで、男色に関してなかなか興味を惹かれる指摘がある、 良くも悪くも男女間の性愛は、社会的認知が許容される場合であれば、その身分に影響され、また婚姻に際しての男女の年齢差、男女間の教養差の点から、男女間の非対称性が顕著になった。 そしてそれを埋め、対等な恋愛関係を構築するべく男色が広がってきたとの指摘がそれだ(ただし稚児愛がある以上、そのまま是とするわけではないが)。 ただ全体として見るに、些か残念なのは、富と男女関係との繋がりについて実証性ある箇所が殆どない点だ。家父長制の成立・強化。売買春との関連、父権の強化如何など、実は重要な関連性を有するはずなのだが…。
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