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性の起源 遺伝子と共生ゲームの30億年
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青土社/ |
発売年月日 | 1995/10/30 |
JAN | 9784791754052 |
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性の起源
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
遺伝子の混合としての「性」を原核生物が現れた時代、つまりは36億年前から解き明かしていく。前回読んだマット・リドレーの『赤の女王』にもあるように、なぜ性が存在するのかは進化学的には実はかなり難しい問題で、今だに統一的な見解は存在しないようだ。 マーグリスは彼女らしい剛胆な筆致で自身の有名な《細胞共生説》を元にして性の問題に切りこんでいく。 マーグリスの細胞共生説は、すでに科学的事実として受け入れられているミトコンドリアと葉緑体がもともと別の細菌であったというものだけでなく、スピロヘータという蛇のような姿の細菌も共生体として真核生物の細胞内小器官となり、繊毛や鞭毛などの運動性機能を担うものになったというものである。マーグリスは生涯をかけてこの説を論証しようと試みているが、今のところこの部分については仮説の域を出ない。 この本の真骨頂は真核生物の性について、このスピロヘータ由来の細胞内小器官である繊毛や鞭毛が染色体の有糸分裂の時にだけ現れる紡錘体にもなり、それがあるために減数分裂が可能となり、減数分裂が真核生物の性を進化させることで多細胞化と機能分化の道を開いたとする部分であろう。 この論については上記のように一般的に認められてはいない説を論拠としているが、真核生物の詳細な器官の説明などを元に具体的なロジックで展開されるため、説得力は高いと私は感じた。 私はマーグリスの大ファンなのでひいき目もあるかもしれないが、非常に壮大でエキサイティングでユニークであり、知的興奮を味わえるおすすめの本である。
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人には持って生まれたものがある。いい意味でも悪い意味でも…と思った方が気が楽だな♪原核生物と原生生物との違いが、やっと分かったような気がした本。 おそらく308ページから309ページにある 「 自己維持と複製:分化と性 生殖(再生産)なしの自己維持というものは想像できる。自己...
人には持って生まれたものがある。いい意味でも悪い意味でも…と思った方が気が楽だな♪原核生物と原生生物との違いが、やっと分かったような気がした本。 おそらく308ページから309ページにある 「 自己維持と複製:分化と性 生殖(再生産)なしの自己維持というものは想像できる。自己を維持し続ける個別細胞の中で、栄養分の取り込みと核酸やタンパク質の合成がいつまでも続いていけば、それでいいわけだ。では自己維持系が最初に進化してきたあとで、最初の細菌細胞はなぜ分裂によって生殖するようになったのだろうか。DNAは複製し、さらに多くのタンパク質を作りだし、そして再び複製を続ける傾向がある。おそらく最初の原細胞では、単位体積あたりの表面積が小さすぎて、新たに複製されたDNAやそれが必要とする栄養分を補えなくなったのかもしれない。細胞複製の必要は、初期型のエラー訂正と関係があったかもしれない。相補的DNA鎖の複製には、ある種の確認作業がからんでいる。ポリメラーゼの複製過程ではその性質から、DNAの3'鎖は無傷のまま5'鎖と相補的となる。細胞の生殖(複製)をもたらす核酸分子の複製は、複雑な情報系にとって必要なエラー訂正の結果だったのかもしれない。同じくまた第10章~第12章で見たように、減数分裂は、私たちが細胞と呼ぶ微生物共同体のうちで、分化に応じた一層のエラー訂正装置として進化してきたものかもしれない。 」 のあたりが「性の起源」に関する著者の結論ではないかと思われる。 それにしても、ショックだったのは細胞レベルでも作りだし続けるんだといううこと。終わらない資本主義の根源はこのあたりからもう始まっているような気がして眩暈がした。 そもそも、エラー訂正のために行われた核酸分子の複製が、減数分裂による一層のエラー訂正へと進化した結果、人間界においてはいろいろな間違いを呼び起こす「性」を生み出したのだとすると、ちょっと皮肉な感じがしないでもない。でもまぁ性に関して実際にいろいろと困るのは個体のレベルだから、種としてはやはり真っ当な進化なんだろうな。 Mahalo
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