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弟の戦争
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店/ |
発売年月日 | 1995/11/30 |
JAN | 9784198603991 |
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弟の戦争
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商品レビュー
4.2
39件のお客様レビュー
弱っている動物に優しく、難民の子どもの写真を見るとどうにかしてほしいというような弟のフィギス。 弟が成長するにつれてそばにいる兄は、何度も弟が誰か違う人格がいるのでは…と思う不思議な体験をする。 それは、湾岸戦争が始まった頃からで、フィギスは12歳になっていた。 フィギスに乗...
弱っている動物に優しく、難民の子どもの写真を見るとどうにかしてほしいというような弟のフィギス。 弟が成長するにつれてそばにいる兄は、何度も弟が誰か違う人格がいるのでは…と思う不思議な体験をする。 それは、湾岸戦争が始まった頃からで、フィギスは12歳になっていた。 フィギスに乗り移ったイラクの少年兵・ラティーフから伝わってくる戦争の残酷さに目を背けることができないのは、フィギス自身なのだと思うと尚更に辛さが増し心が痛む。 湾岸戦争を鮮明に覚えていることはないのだが、最新兵器は死傷者を最小限におさえる「きれいな戦争」だと言うことに胸糞悪い思いだった。 どれだけの子どもたちが犠牲になったであろうか。 その苦しさ、悔しさ、辛さ、絶望、ありとあらゆる負の感情を生きている少年の心に入り込んでまで、伝えてきたんだと言うことに戦争を無くせという声を聞いた感じがした。
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途中までノンフィクションかなと勘違いしてしまうような迫力のある小説でした。最後のほうに笑える要素があったり、ホラー的なちょっとありえないような場面もあったりでようやくフィクションであることに気づく、そんな感じでした。
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2021年8月、カブール空港から撤退する米空軍機に、脱出を望むアフガニスタン人がしがみつき、離陸後に振り落とされる映像を思い出す。 19991年湾岸戦争が終結し、1992年本書が英国にて刊行。 2001年9月11日同時多発テロを受けてアフガニスタン戦争が開戦し、20年に及ぶ泥沼...
2021年8月、カブール空港から撤退する米空軍機に、脱出を望むアフガニスタン人がしがみつき、離陸後に振り落とされる映像を思い出す。 19991年湾岸戦争が終結し、1992年本書が英国にて刊行。 2001年9月11日同時多発テロを受けてアフガニスタン戦争が開戦し、20年に及ぶ泥沼の戦いの後にアメリカは敗北に等しい撤退をする。 その間にはテロ容疑者に対する米軍の拷問、性的虐待も暴露されている。 もはや世界中の誰も、正義のための良い戦争の存在も、最小限の犠牲などという欺瞞も信じることはない。 それでも、ウクライナ戦争への軍事支援は? ハマスの奇襲と人質連行に対するガザ侵攻は? ミャンマー国軍への抵抗は? どこまでが“許されて”、どこまでが“行き過ぎ”なのか。良い戦争という幻想が消えた代わりに、虚しい線引きを考えることが強いられるのは何故か。 自らの行為の醜悪さを自覚しながらも大義を掲げて戦いに赴くものに、感情移入できるのか。 彼等が昨日までは兵士ではなく、ただの市民であったことを忘れずにいられるか。 目を閉じて、半径3メートルの世界で幸せを探したくなる。 本書のラストで「危機」を乗り越えた後の、傷つき優しく寄り添って内向的になる家族の姿はあまりにも苦い味を残す。 目の前の我が子の苦しみになにもできずマッチョさを失ってゆく父親、自信を失い人道主義・博愛主義のキャリアを降りた母親、他者への共感に押しつぶされて自我の一部を失い、代償のごとく全てを忘却して“普通の退屈な”男の子になってゆく弟。 1993年に亡くなったウェストールが生前に発表した最後の作品である本書が求めるものは、皆が忘れたふりをしている中でも苦しくても覚えておくこと、そして独りでも自問し続けること。 忘れやすい僕は、たまにこうして自分を揺りおこす必要がある。 結局はまた、無力感にまどろんでしまうのだとしても。 なんどでも、なんどでも。答えがないことはわかっていても。
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