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ある運命について 改版 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1995/10/18 |
JAN | 9784122024403 |
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ある運命について 改版
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商品レビュー
3
6件のお客様レビュー
人間を愛し、その足跡…
人間を愛し、その足跡に限りなく愛惜の情を注ぐ作者が、歴史と現代に生きる人物と運命を濃密に洞察する司馬文学の精髄。
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一部昭和40年代後半から50年初頭のものもあるが、多くは昭和50年代後半に書かれた随想、エッセイをまとめた作品集。 タイトルになっている「ある運命について」は昭和49年発表で、松原一枝『藤田大佐の最後』を読んでの感慨が書かれている。司馬はかつて藤田大佐の部下だったことがあっ...
一部昭和40年代後半から50年初頭のものもあるが、多くは昭和50年代後半に書かれた随想、エッセイをまとめた作品集。 タイトルになっている「ある運命について」は昭和49年発表で、松原一枝『藤田大佐の最後』を読んでの感慨が書かれている。司馬はかつて藤田大佐の部下だったことがあった。この藤田大佐とは、終戦直後の満洲で起こった通化事件の関係者だったようだが(調べてみて分かった)、司馬はそのことに直接触れることはせずに、敗戦と言う崩壊の中での生身の人間の運命について考える。 同じく「服従について」では、29年間も命令への絶対服従を貫き、ルバング島から生還した小野田少尉について考えを巡らせる。 *この文章を読んで、横井さん、小野田さんと、残留日本兵発見のニュースを見た時代のことを思い出した。 そのほか、広瀬武夫の文学的資質や、藤澤桓夫等と同人仲間だった長沖一が昭和5年に自らの入営経験を基に書いた軍隊小説のこと、自らの作品についての余談や知人についての思い出が述べられる。 短い文章からも十分窺われる日本の歴史や地理に関する豊富な知識に学ぶことが多いし、自らの敬愛する人に対する温かな人物評は読んでいて気持ち良い。 少し異質なのが、週刊読売に書かれた「若い訪問客」と「山姥の家」。一般常識からすれば「変わった人」とのやり取り。特に「若い訪問客」は、彼なりの論理の一貫性はあるのだろうが、そのあまりの非常識さがシュール過ぎる。
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