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公共性の構造転換 市民社会の一カテゴリーについての探究
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公共性の構造転換 市民社会の一カテゴリーについての探究

ユルゲン・ハーバーマス(著者), 細谷貞雄(訳者), 山田正行(訳者)

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公共性の構造転換 市民社会の一カテゴリーについての探究

定価 ¥4,180

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 未來社
発売年月日 1994/05/30
JAN 9784624011239

公共性の構造転換

¥2,970

商品レビュー

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2024/06/17

市民的公共性を理想視している感があるし、ファシズムの時代や人民的公共性に踏み込んでいないという不満もある。 とはいえ、ヨーロッパの政治社会史を総覧しながら、公共性というコミュニケーションの経路に光を当てる試みは重要だ。 とりわけ、操作的公共性に覆われた現代にあって、どうやって...

市民的公共性を理想視している感があるし、ファシズムの時代や人民的公共性に踏み込んでいないという不満もある。 とはいえ、ヨーロッパの政治社会史を総覧しながら、公共性というコミュニケーションの経路に光を当てる試みは重要だ。 とりわけ、操作的公共性に覆われた現代にあって、どうやって人々は、公衆としていられるか。まずは本書とアレント「人間の条件」をスタート地点としておさえておきたい。

Posted by ブクログ

2024/01/08

 公共圏/私的圏域の線引きが変遷する様相を、社会史的にまとめた一冊。「公共圏」を議論の主線として用いる一方で、対義語である「私的圏域」についての記載が分散しているので、ヒジョーに読みにくい。というかまだ1,2,5章しか読めていないのに、既に情報量が膨大なのでここにまとめます。 ...

 公共圏/私的圏域の線引きが変遷する様相を、社会史的にまとめた一冊。「公共圏」を議論の主線として用いる一方で、対義語である「私的圏域」についての記載が分散しているので、ヒジョーに読みにくい。というかまだ1,2,5章しか読めていないのに、既に情報量が膨大なのでここにまとめます。  「私的圏域」は、「経済の単位であること」「個人的な親密性・人間性の源泉であること」あたりから成っているように読めます。  かつて自己完結性が強かった家内生産/家内消費は、封建制を経たのち、資本主義としてスケールを大きくしていきます。社会が制度化されていないなかで情報媒体が発達し、経済や人間性のあるべき姿を議論できる「公衆」が誕生します。例のコーヒーハウスですね。  しかし国民国家と資本主義の制度化がさらに進むと、まさに「プライベートな企業」たちが「世間のあるべき姿」を勝手に体現し、市場シェアの確保を目論むように。メディアや討議すら商業化し、消費者はまさに消費するだけの存在になっていきます。 --  この本は事実の確認を目的としているので、「どうすべきか」には触れていません。パッと思うのは、①ブルジョワじゃないのに勉強して公衆になるとか無理でしょ、 ②コミュニケーションのしんどさ/消費の心地良さに抗うにはどうしたらよいか、③自分語り的な自称社会善(これ自体は完全悪でない)を中和するにはどうしたらよいか、ってことです。  また読めたら読みたいけど、こういうときは読まないので誠に勝手ながら読了とさせていただきます。疲れた。

Posted by ブクログ

2021/06/30

18世紀、一般市民がロンドンのコーヒーハウスで、自由闊達に議論していた。新思想とその批評。社会的地位は不問、自由な議論、誰でも参加できる。世論一般の声ではなく、判断力をもった、教養と財産をもった市民の議論。他者を手段としてではなく、自律した人格として尊重。あらゆる立場の他者を理解...

18世紀、一般市民がロンドンのコーヒーハウスで、自由闊達に議論していた。新思想とその批評。社会的地位は不問、自由な議論、誰でも参加できる。世論一般の声ではなく、判断力をもった、教養と財産をもった市民の議論。他者を手段としてではなく、自律した人格として尊重。あらゆる立場の他者を理解し、他者を説得する理由を示しながら、他者との合意に達しようとする。究極的に真理を目指して討議する。素晴らしい世界。▼しかし、19世紀に変化が起こる。大衆社会、行政権力や貨幣経済システムがこうした自由な言論空間を侵食しはじめた。福祉国家では、お金を政府からもらっている人・団体は政府に批判しにくくなる。民間企業も政府に働きかけて経済支援を引き出そうとする。福祉国家、民間企業により市民社会と国家との境界があやふやになった。自由で自律した個人による討論ができない。▼この残念な変化に対抗する担い手として、ボランティア、NPO/NGO、市民会議。新しい市民社会。政府でも民間企業でもない領域で、人々が互いに討議をし、合意して、物事を進めていこう。ユルゲン・ハーバマスHabermas『公共性の構造転換』1962 ※市民社会は自由意志にもとづく連帯・結合の制度。一方、公共圏はコミュニケーションそのもの。自律的なコミュニケーションのための社会的な基盤が市民社会。 言語を使い、自分と他人、お互いを理解し合うこと・合意することを目指して行われる行為。話し手は、事実に基づいて本当のことを言わないといけない。嘘を言ってはいけない。聞き手は賛成してもいいし、反論してもいい。素晴らしい世界。▼それに対して、権力(政治)や貨幣(経済)は自分の目的を実現するための戦略的な行為。けしからん世界。この悪しき世界が、お互いに理解・合意したりする素晴らしい世界を浸食している。権力・貨幣システムによって人々の日常の世界が浸食されている・植民地化されている。こうした現状を一般市民のコミュニケーション行為に基づく合意形成によって打破しよう。ユルゲン・ハーバマスHabermas『コミュニケーション的行為の理論』1985 ※討議。いつかは多数決で決定を下さないといけないが、多数決による決定が間違ってるかもしれないと、討議の参加者は認識すべき。 啓蒙的理性は大切。近代が目指していた「市民が互いに討議をし、合意して、物事を進めていく」世界は未だ到達できていない。近代は未だ完成していない。ニーチェ、フーコー、デリダけしからん。近代の啓蒙的理性は哲学者ではなく、一般市民によって蘇生する。ユルゲン・ハーバマスHabermas『近代の哲学的ディスコース』1988 普遍的な正義の原理を追求するよりも、自由民主主義を前提としながら、異なる世界観・価値観を持った人々の間で重なり合う合意を目指そう。相手を説得するときは公共的な理由だけに訴える。特定の世界観・包括的な見解に訴えるべきではない。ジョン・ロールズRawls『Political Liberalism』1993 インターネットで、特定のサイトに同種の考え方をもつ人々が集まり、閉鎖的な環境で議論する結果、極端な世論が形成される。group polarization。キャス・サンスティーンSunstein『Republic.com』2001

Posted by ブクログ

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