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密やかな結晶
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1994/01/25 |
JAN | 9784062058438 |
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密やかな結晶
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商品レビュー
4
25件のお客様レビュー
<消滅>という単語を辞書で調べてしまった。 自分が失うことと、世の中から消えてしまうこと、そこにどんな意味があるのか、またはないのか、と、ずっと考えながら読んだ。 答えはまだでない。
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世界からひとつひとつ 何かが消滅していく物語 「消滅」が起きる朝には空気がいつもと違っている。 何が消滅したのかすぐに気づくこともあれば、 その日生活をしながら気づくこともある。 大半の人にとってその儀式は当たり前のことで 嘆いたり悲しんだりする対象のものではない そのうち消...
世界からひとつひとつ 何かが消滅していく物語 「消滅」が起きる朝には空気がいつもと違っている。 何が消滅したのかすぐに気づくこともあれば、 その日生活をしながら気づくこともある。 大半の人にとってその儀式は当たり前のことで 嘆いたり悲しんだりする対象のものではない そのうち消滅したことすら忘れて 心の中の空っぽは増えるけど 日常はちゃんといつも通り続いていく。 一部の「消滅」の影響を受けない人たちは 秘密警察による「記憶狩り」を恐れながら 周りの人と同化するよう息をひそめて暮している。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 何かが消えたとき それに気づくほうが幸せだろうか? 気づかないほうが幸せだろうか? 私はこの物語を読み終わったとき、悲しかった。 とても静かで寂しくて、でもどこか美しい悲しさを感じた。 消えてしまったことを覚えているから、悲しみを感じられるのだ。 そしてこの本そのものが「密やかな結晶」なのだと思った。
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奇妙な話だった。じわじわと人々のすべてを消滅させていく権力の不気味さ。自分を失わずしっかりと生きていこうとする主人公たち。秘密警察のリアリティ。 これは私たちの社会のことか。だとすると結末が哀しい。
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