流浪の戦国貴族近衛前久 天下一統に翻弄された生涯 中公新書1213

谷口研語(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論社/
• 発売年月日: 1994/10/25
• JAN: 9784121012135

商品レビュー

2010/05/28

織田信長フリークなら…

[文庫ＯＦＦ]

織田信長フリークなら当然ご存知の貴族でしょうが、一般にはあまり知られていません。本能寺の変の黒幕ともされます。足利義昭・織田信長・豊臣秀吉の時代を生き延びたキーパーソン、地味なフィクサー・近衛前久の伝記。戦国史を見る目が変わります。公家はしたたかなのだなあ。

2010/05/28

近衛前久については小…

[文庫ＯＦＦ]

近衛前久については小説からノンフィクションまで数多く出版されているが、裏で歴史を操った人物のようなニアンスで描かれることが多い。本書もすぐに絶版になったことから、当該人物の末裔が回収したとの噂も出て、新刊本屋からはすぐ姿を消し、今でも古本屋ではなかなか見つけられない本。ただし、電子本は流通。図書館にも流石にあるが…。そのような経緯から内容も期待したが、残念ながら絶版となるような記述は見つけられなかった。さらりと読め織田信長登場前後の激動の歴史を主役（武士）でない公家から描かれた好著。

2021/01/17

本書を手に入れたのは、今まで断片的な知識のみであった近衛前久について、麒麟がくるでの活躍を見て、俄然興味がわいたためです。本書はその期待に充分に答えてくれます。それは、序章　天下一統世代の誕生～第一章　戦国時代～第二章　織田時代～第三章　豊臣時代～終章　天下一統の完成迄前久は全ての時代に積極的にかかわり、生き残ります。

　特に織田信長と親しく、本能寺の変により『前久が主体的に政治活動をする道は閉ざされ』直後に出家するほど大きなショックがあったとあります。当然ながら著者は前久が明智光秀と共謀する説には組みしていません。変後、前久を妬む公家の讒言により、一次徳川家康に身を寄せます。

　果たして麒麟がくるでは本能寺の変とのかかわりを何か描くのでしょうか？楽しみです。

2020.3再版