教祖誕生 新潮文庫

ビートたけし(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/
• 発売年月日: 1994/07/01
• JAN: 9784101225166

商品レビュー

2010/05/28

でもたけしが言ってい…

[文庫ＯＦＦ]

でもたけしが言っていることは決して間違っていないし、自らメガホンを取ることで自身も批判される立場にいるので、批判するだけの責任を果たしていますね

2023/01/18

これが出たときはオウム事件よりも前で、統一教会の霊感商法が話題になった頃かそれよりはやいので、そう考えるとテーマとしてめざとい ほとんどの宗教がこういう一面はあるだろうけど、結局は金 まじめな人間ほど損をするのはいつの時代もおなじなのだろう

2021/11/13

2021年11月12日読了。
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女の取り合いに敗れ、悲しみに沈んでいた『高山和夫』は精神的な動揺のせいで、人間についてや、神とはどんな立場で人間を見ているのかという事を思い悩んでいた。
そんな時、あるチラシを手に取る。
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『教祖来る！神と出会う集会開催　万病を治し、水上を渡る秘技実演！』

あまりのタイミングの良さと、胡散臭さに思わず笑いがこぼれる。
裏腹に、その宗教教団が行なっている出し物の人だかりに吸い寄せられるように近づく和夫。

そこでは教祖と思われる白髪の老人が、車椅子に座る老婆の足を手のひらでさすっている所だった。
教祖が「ハッ」と声をあげたその時、パチッパチッと教祖の手と老婆の体の間に青白い火花が散った。
すると
「ああああっ！」と奇声を上げながら老婆が立ち上がったのだ！
和夫は、人垣のどよめきにつられて思いがけず感動する。
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「会員になるにはどうしたらいいですか。つまり信者になりたいんですけど。」
勢いに任せて、和夫自身、突拍子もないことを言い出した自分に驚いた。

胡散臭い宗教団体の仲間入りをし、あれよあれよと教祖へと祭り上げられていく男の話。
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北野武ではなく、ビートたけし名義のかなり昔の作品。
幼い頃に映画を観たような朧げな記憶があり、古本屋でたまたま巡り合い原作を読んでみようと思い立った。

世界には様々な宗教が存在して、その宗派により様々な神の信仰がある。
その信仰を心の拠り所としてる人々も数多くいるだろう。
それは重々承知だが、自分は宗教云々には疎く興味も無い。
だが、この本で描かれているインチキ悪徳宗教団体みたいなものが本当に存在しているんだろうなという事には興味がある。

『宗教は形あるものをもらい、目に見えないものを渡す、そういう商売なんだから、金だろうが何だろうがもらってやる。限りなくもらうことが教祖の仕事なんだ』
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『神はな、永遠にオレたち人間を救わないんだ、ひたすら試練を与え続けるだけなんだよ。
ところが、新興宗教のすごいところはな、救っちゃうんだ。みんな救うって言い切ってしまう。
どうせ神は見ているだけなんだ。だからオレたちが方便でも嘘でも権力でもなんでも使って、救われたい人を救ってやる。それが愛するってこと、人間的宗教ってことだろう。』
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悪徳代表みたいな教団幹部・『司馬』の言葉だが、宗教というものの核心をついているんじゃないだろうか。
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病を治すインチキ芝居の打ち合わせ中に、『顔面神経痛なんかいいんじゃないですか？』というフレーズが出てきたので、当時のバイク事故への痛烈な自虐ネタかと思ったら事故の前の作品でした。
その後、あんな死にかける事故を起こすとは思いもよらなかったでしょうね…。