お茶のある暮らし

谷本陽蔵【著】

• 販売会社／発売会社: 草思社/
• 発売年月日: 1993/11/09
• JAN: 9784794205278

商品レビュー

2022/04/09

茶商による、日常で飲むお茶のエッセイ

良質なお茶の選び方、淹れ方
そもそも、お茶とは？
産地の特徴とお茶の歴史
緑茶、烏龍茶、紅茶の相違点
水との相性などなど

書かれたのが30年前というのもあって、「昔は確かにそんなだったな」とか「今はさらに」と違いを楽しめる

当時は烏龍茶が缶入りドリンクとして広まったあたり
ジャワティーのような甘くない紅茶はもうちょっと後か？
それも今や、緑茶もペットボトルで普通に飲まれる状況になりましたねぇ
まぁその分、ちゃんと急須で淹れたお茶を飲む機会は激減しましたけどね
私自身も急須で淹れた煎茶を飲むのは実家に帰ったときぐらい
紅茶や烏龍茶は仕事中でもポットで淹れるんですけど、緑茶は飲まないんですよねー
たまには煎茶も買ってみようかしら？

喫茶店でも美味しい紅茶を出すのは稀というのは完全に同意
当時は一般の人は紅茶の正しい淹れ方は知らなかっったですもんねぇ
今は紅茶専門店のようなちゃんとした喫茶店以外にもまともな紅茶を出すお店はありますけど、それでも知識のない人が淹れたであろう紅茶を出すところもありますし……

千利休のガタイが良かったというのは、個人的にここ数年で得た知識かな
30年前も映画の配役に違和感を感じる人がいて、現代に於いてもその状況はそんなに変わってないかもね
歴史好きな人たちにとっては当たり前な知識なんだろうか？

2013/01/01

政治学を修めながら堺の「つぼ市製茶本舗」を引き継ぐ著者
台湾中国にとどまらず世界中を駆け回り
お茶の研究に余念のない著者
他に「中国茶の魅力」がある

コーヒーからコーラまで飲み物は様々あれど
お茶という葉っぱからの抽出物ほどに
安心して喉も身も心も潤せるものはないだろう

言ってみれば恋と愛の違いのような
クスリや栄養素と家庭料理やお弁当の違い
豪華な料亭の料理とお茶漬けの違い

緑茶に烏龍茶に紅茶に
あるいは緑・白・赤・黒・青茶など製法での色の違い
あるいは葉を食べるものと
葉を粉にして溶かしこんだお湯を飲むものと
葉を煎じて飲むものなどの摂り方の違いがある

『茶は見るもおにあらず、飲むものなり」と
著者は利休による自然体が好きで
織部などの社会性が嫌いのようだ

目に訴える茶の他に香りを楽しむ茶と味を楽しむ茶がある
発光の少ない白茶や緑茶は味がいいし
発酵された烏龍茶や紅茶は香りが良い

コレを呼んで一つ疑問が残った
茶の木が朝霞を好むと言わながら
茶葉が水を嫌うということの関係がわからない