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「欲望」と資本主義 終りなき拡張の論理 講談社現代新書1150
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「欲望」と資本主義 終りなき拡張の論理 講談社現代新書1150

佐伯啓思【著】

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「欲望」と資本主義 終りなき拡張の論理 講談社現代新書1150

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1993/06/20
JAN 9784061491502

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「欲望」と資本主義

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2026/01/02

人間の欲望の拡張という観点から資本主義について述べた著作。学生時代の頃読んで衝撃を受けた思い出がある。 ・株式会社制度によって巨大組織が登場し、経営者が実権を握る。これは19世紀的な抗争的市場経済でもないけれど、古典的な資本家が支配する資本主義でもない。ダーレンドルフはこれをポス...

人間の欲望の拡張という観点から資本主義について述べた著作。学生時代の頃読んで衝撃を受けた思い出がある。 ・株式会社制度によって巨大組織が登場し、経営者が実権を握る。これは19世紀的な抗争的市場経済でもないけれど、古典的な資本家が支配する資本主義でもない。ダーレンドルフはこれをポスト資本主義と呼んだ。 ・ロビンズによれば、、経済学とは希少な資源の配分にかかわる学問である。 ・社会主義経済の何が問題だったか。「消費」という観点に絞って言えば、生産されたものが人々の欲しがっているものに見合っているという保証がどこにもないことである。また、新たな技術を開発し、新たな製品を開発し、新たなマーケットを開拓する精神、つまり未知の世界へ投企する精神、未知のものを現実化していこうとする精神が圧倒的に欠けているのだ。 ・社会主義経済では「消費者」という概念が存在しない。人民が何を必要とするカア手にする、計画当局が決定するからだ。 社会主義には「労働者」というカテゴリーはあるが「消費者」というカテゴリーは存在しない。 ・ただし、60年代は資本主義経済も社会主義経済もそれほど大差がなかった。軍需産業を別として、自動車、電化製品、住宅といった製造業が中心の時代は、いかに規格化された製品を能率的に大量生産するか、という課題が与えられた時代だった。 ・ところが70年代は、コンピュータ技術の進展により、多品種少量生産をかつてはかんがえられもしなかったくらい効率的に行う技術が提供できるようになった。テクノロジーの進歩と情報化により消費者という概念が決定的な重要性を持ってきた。 同じようなものをいかに効率的に大量生産するか、という生産の場が企業の利潤の発生の場ではなく、いかに消費者の欲望に寄り添うかが利潤の発生の場になっていったのである。70年は「生産の場」から「消費の場」への転換が起きた時代である。 グローバル化も消費の場を重視することになった景気である。 70年代以降、 資本主義は消費者の多面的で多様な欲望を開拓することで市場を拡大しつづけた。 社会主義は労働者への動機づけと消費者についての情報という2点で決定的な弱点を持っていた。 ・人々はゆたかになればそれほど物をほしいとは思わなくなるし、それほどはげしく働かなくなるし、企業をリスクを覚悟で冒険しようとしなくなるだろう。これがケインズ、マルクス、シュンペーターの予想だった。ではなぜこれが当てはまらないのか。 消費者というものにどこまで寄り添えるかが国際競争力の試金石になりつつある。 ・80年代:差異化が必要になった。従来の画一化され、標準化された大量生産方式だと、いずれ消費者のニーズは落ち込んでくる。ある程度の質の車がひとわたり行き渡れば当然需要な落ちてくるだろう。そこで新たな形で消費者の欲望を喚起しなければならない。消費者の欲望は「人並み化」から「差異化」に変化していた。

Posted by ブクログ

2025/10/08

別の本で紹介されていて気になり、初めて読んでみた。とても面白かった。論理的なのにテンポが軽快で、資本主義と市場経済、欲望の拡張、バブル経済、豊かさの果てなどの解説は秀逸。主張ではなくてこの人なりの理解と解説。言葉の選び方や定義の仕方も気を使って書かれており大変読みやすかった。 社...

別の本で紹介されていて気になり、初めて読んでみた。とても面白かった。論理的なのにテンポが軽快で、資本主義と市場経済、欲望の拡張、バブル経済、豊かさの果てなどの解説は秀逸。主張ではなくてこの人なりの理解と解説。言葉の選び方や定義の仕方も気を使って書かれており大変読みやすかった。 社会主義と資本主義との比較、消費資本主義、資本主義の歴史と産業革命、資本主義が向く方向(外・内・自分)、豊かさの果ての文化 と進めて行く中で少しも緩めずに書ききっているので、途中で止められずに読み進められる。 時間を置いてもう一度読んでみよう。

Posted by ブクログ

2025/08/21

1993年刊だから、今から32年も前の本だ。日本が繁栄しているという前提で書かれているので、今読むと隔世の感がある。しかし、特に7章・資本主義の病理に書かれているような、自己増殖するという資本主義の本質を確認し、産業社会の行き詰まりから、人間が文化への欲望に目覚める方向にかけたい...

1993年刊だから、今から32年も前の本だ。日本が繁栄しているという前提で書かれているので、今読むと隔世の感がある。しかし、特に7章・資本主義の病理に書かれているような、自己増殖するという資本主義の本質を確認し、産業社会の行き詰まりから、人間が文化への欲望に目覚める方向にかけたいと語る著者の想いには共感する。残念なことに30年たっても、世界はあまりその方向には行ってないのだが。SNSの登場で欲望は、ルッキズムとお金により向かっている。文化も消費されている。生成AIの登場で、技術的には正確性ではなく偶然性に支配されているが、利用方法としては産業が欲望を加速させる方向に加速している。 さて、本書だが軽快に読める。その文章は語られたもののリライトではないかと思えるほどだ。引用は多いが概して分かりやすく、引っ掛かりがなくて、サクサク進む。ウェーバーのプロ倫をバッサリ批判しているあたり爽快だ。いわく、資本主義は高潔さよりもいかがわしさが似合っているとか。ヨーロッパが「外」に欲望を求めたのが帝国主義で、アメリカが移民を受け入れ、機会の平等を徹して求め、その国民を消費者として、市場を作ったのが、ヨーロッパとは反対の「内」なる方向の資本主義だったとか、歴史の捉え方も新書らしく面白い。

Posted by ブクログ