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逃げてゆく鏡 バベルの図書館30
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商品詳細
内容紹介 | 内容:泉水のなかの二つの顔.完全に馬鹿げた物語.精神の死.<病める紳士>の最後の訪問.もはやいまのままのわたしではいたくない.きみは誰なのか? 魂を乞う者.身代わりの自殺.逃げてゆく鏡.返済されなかった一日 |
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販売会社/発売会社 | 国書刊行会/ |
発売年月日 | 1992/12/20 |
JAN | 9784336030504 |
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逃げてゆく鏡
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ボルヘスを館長として編纂された文学シリーズ、「バベルの図書館」の一冊。 イタリアから刊行されたシリーズですが、青を基調とした装丁が美しく、並べると美術館のようです。 === この短編集の中で、登場人物たちは様々な手段で自分を殺す。自分殺しがテーマの作品集も珍しい。 故郷に帰っ...
ボルヘスを館長として編纂された文学シリーズ、「バベルの図書館」の一冊。 イタリアから刊行されたシリーズですが、青を基調とした装丁が美しく、並べると美術館のようです。 === この短編集の中で、登場人物たちは様々な手段で自分を殺す。自分殺しがテーマの作品集も珍しい。 故郷に帰った私は、かつて理想に燃えていた若い頃の自分に会う。最初は懐かしく親しんだが、徐々に現実を知らないその姿に苛立ちを感じる。 / 泉水のなかの二つの顔 訪問者が持ってきた小説で書かれた醜い人間の内面は、隠していた自分自身の真の姿だった。 / 完全にばかげた話 望むことにより自分で自分を殺すという自殺方法。 / 精神の死 「私は誰かの夢の登場人物なのです。目覚めて私を自由にして欲しいのです…」 / <病める紳士>の最後の訪問 ある日突然自分は誰にとっても存在しない人間になった。 / きみは誰なのか? 未来とは逃げていく現在の一部、時間とは逃げていく鏡 / 逃げていく鏡 自分の時間、若さを売る女 / 返済されなかった一日
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作者については何も知らないし気まぐれで読んでみただけだが作風があまりにも好みでびっくりした。ほとんどは無名の男を主人公とした短編で登場人物はさほど多くない。現実なのか夢なのか。まるで白昼夢を見ているかのような出来事に遭遇し男性の内面的・精神的な苦悩が生まれる。狂っているのは私かお...
作者については何も知らないし気まぐれで読んでみただけだが作風があまりにも好みでびっくりした。ほとんどは無名の男を主人公とした短編で登場人物はさほど多くない。現実なのか夢なのか。まるで白昼夢を見ているかのような出来事に遭遇し男性の内面的・精神的な苦悩が生まれる。狂っているのは私かお前か。 人間の精神について考えさせられる話。
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ボルヘスがイタリア文学から選んだのがパピーニ。エリアーデやヘンリー・ミラー等からも高い評価を受けているようだが、日本ではあまり知られているとは言い難い。ここには表題作を含めて10の短篇が収録されているが、いずれも小説の持つドラマ性にはきわめて乏しいという共通項を持っている。登場す...
ボルヘスがイタリア文学から選んだのがパピーニ。エリアーデやヘンリー・ミラー等からも高い評価を受けているようだが、日本ではあまり知られているとは言い難い。ここには表題作を含めて10の短篇が収録されているが、いずれも小説の持つドラマ性にはきわめて乏しいという共通項を持っている。登場する人物同士の間に葛藤が働かず、したがって人物相互の関係がプロットを形作るという方法をとらないのだ。こうしたところから、ボルヘスの「この作家が度し難いほど徹底的に詩人だった」という評が生まれてくる。あくまでも「孤独な幻視者」なのだ。
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