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誓約(下) 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1992/04/10 |
JAN | 9784167136093 |
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
(上巻の感想からの続き) 読んでいる最中は映画『戦火の勇気』が頭によぎった。 タイスン中尉がベトナムの病院でどのような指示をしたがために大量虐殺に至ったのか、この事実についてあらゆる人が本で語り、軍事裁判にて証言し、そして主人公自身も語る。小隊の中の人間関係の歪みが生んだ大虐殺の...
(上巻の感想からの続き) 読んでいる最中は映画『戦火の勇気』が頭によぎった。 タイスン中尉がベトナムの病院でどのような指示をしたがために大量虐殺に至ったのか、この事実についてあらゆる人が本で語り、軍事裁判にて証言し、そして主人公自身も語る。小隊の中の人間関係の歪みが生んだ大虐殺の事実はそのまま同じように歪められ、タイスンを追い詰める。 最後の切り札、ケリーの登場で漸く真相が明らかにされ、何が正しくて、何が悪いのかを悟られる。それはやはり人ではなく、戦争という特異な状況であったが故の哀しい事実だった。 誰もがあの戦争では狂っていた、その事は誰も否定できないし、また非難もできない。知らない方がいいこともある、これは正にその典型だった。 最後の最後でタイスンに下される裁定は、有罪か無罪かの二者のどれでもない。これ以上の結論は無いというべき見事な裁定である。この最後の救いで読者もまた救われた。恐らく元ベトナム従軍兵の彼らも。 デミル、天晴れだ。
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この著者の他の作品を知っていると、この本で描かれている事は、かなり抑えめに描かれていて、重厚な雰囲気すらあると思うと思います。実際そうだし。 法廷モノの小説は数多ありますが、軍法会議を舞台にした作品は少ないのではないでしょうか。日本では、“軍隊が存在しないので”軍法会議がありま...
この著者の他の作品を知っていると、この本で描かれている事は、かなり抑えめに描かれていて、重厚な雰囲気すらあると思うと思います。実際そうだし。 法廷モノの小説は数多ありますが、軍法会議を舞台にした作品は少ないのではないでしょうか。日本では、“軍隊が存在しないので”軍法会議がありません。なので、こういう場は、非常に不慣れな訳ですが、「正義」を行うべき一つの舞台としての軍法会議の在り方は、良く分かりました。
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このボリュームで、内容の重さで、全くダレさせず読ませてくれた。 タイソンとコーヴァの皮肉たっぷりのジョークが常にあったせいもある。 千ページを超える長さで、曖昧なまま遅々と進んでいくストーリー。 しかし、ケリーが証言台に立った残りわずか50ページで、悲劇と狂気の真実が明かされ、圧...
このボリュームで、内容の重さで、全くダレさせず読ませてくれた。 タイソンとコーヴァの皮肉たっぷりのジョークが常にあったせいもある。 千ページを超える長さで、曖昧なまま遅々と進んでいくストーリー。 しかし、ケリーが証言台に立った残りわずか50ページで、悲劇と狂気の真実が明かされ、圧巻のラストを迎える。 さる戦争の悲惨さの前では裁く者も裁かれる者も善悪も過去も無意味となってしまうのかもしれない。
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