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光と風と夢・わが西遊記 講談社文芸文庫

中島敦【著】

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商品詳細

内容紹介 内容:光と風と夢.わが西遊記 悟浄出世.悟浄歎異. 著書目録:p243~245
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1992/12/09
JAN 9784061962040

光と風と夢・わが西遊記

¥880

商品レビュー

3.6

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2021/02/27

サモアのスティーブンソンの生活、そして三遊記の沙悟浄を主人公とした小説。いずれも元ある小説を借りた独自の小説。いかにも中国文学に強い著者らしい文体の文章が印象に残る。実は翻訳文かと思ったほど。内容は随分哲学的な沙悟浄だったりしてびっくり。次は沙悟浄との対話での導師の言葉。「自己だ...

サモアのスティーブンソンの生活、そして三遊記の沙悟浄を主人公とした小説。いずれも元ある小説を借りた独自の小説。いかにも中国文学に強い著者らしい文体の文章が印象に残る。実は翻訳文かと思ったほど。内容は随分哲学的な沙悟浄だったりしてびっくり。次は沙悟浄との対話での導師の言葉。「自己だと? 世界だと? 自己を外にして客観世界など、在ると思うのか。世界とは、自己が時間と空間との間に投射した幻じゃ。自己が死ねば世界は消滅しますわい。自己が死んでも世界が残るなどとは、俗も俗、甚だしい謬見じゃ。世界が消えても、正体の 判らぬ·此の不思議な自己という奴こそ、依然として続くじゃろうよ。」なお、古い時代の小説でサモアの土人、また不具者などの表現は今ではびっくりする。

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2020/12/11

自分とは何かという疑問を持ち、高名な碩学たちに答えを求め続けた沙悟浄。五年が過ぎても明確な回答は見出せず、愚かではあっても確固としてあった自己をすら見失う。まず動くことが大切なのでは、との予感を得たのち観世音菩薩が現れ、やがて出会う悟空から学ぶことは多いと告げられる。 その悟空に...

自分とは何かという疑問を持ち、高名な碩学たちに答えを求め続けた沙悟浄。五年が過ぎても明確な回答は見出せず、愚かではあっても確固としてあった自己をすら見失う。まず動くことが大切なのでは、との予感を得たのち観世音菩薩が現れ、やがて出会う悟空から学ぶことは多いと告げられる。 その悟空には思慮や判断が行動の中に溶け込んでいて、文字に拠らない知識があることを思い知らされる。 また、三蔵法師の身体の弱さの中にある、正しく美しく尊い精神の強さ、猪八戒の楽しみを楽しむ才能をも学ぶべき対象となる。 悩める沙悟浄の造形が新しく感じられた。

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2017/09/26

『宝島』で知られているスティーブンスンの書簡を元に日記形式で再構成した『光と風と夢』。南洋へ実際に行ったことがある中島敦だから書けた、生々しい島の自然の描写と、支配する側(白人)とされる側(島民)の関係。 西遊記に出てくる沙悟浄を主人公に置いた「悟浄出世」「悟浄歎異」。 光と~も...

『宝島』で知られているスティーブンスンの書簡を元に日記形式で再構成した『光と風と夢』。南洋へ実際に行ったことがある中島敦だから書けた、生々しい島の自然の描写と、支配する側(白人)とされる側(島民)の関係。 西遊記に出てくる沙悟浄を主人公に置いた「悟浄出世」「悟浄歎異」。 光と~も悟浄~も、どちらも苦悩しそれを独白する主人公の影に作者本人の苦悩が反映されているようで、読んでていろいろ考えちゃいます。

Posted by ブクログ

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