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明治政治思想史研究
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 未来社/ |
発売年月日 | 1992/06/01 |
JAN | 9784624300012 |
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明治政治思想史研究
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近代日本における家族国家観の形成がどのようにしてなされたのかという問題について考察している本です。 天皇と皇室を中心に置き、国民を「天皇の赤子」として位置づける近代日本のイデオロギーは、封建的な残滓だとみなされることがありますが、けっしてそのような単純な見かたでかたづけられるも...
近代日本における家族国家観の形成がどのようにしてなされたのかという問題について考察している本です。 天皇と皇室を中心に置き、国民を「天皇の赤子」として位置づける近代日本のイデオロギーは、封建的な残滓だとみなされることがありますが、けっしてそのような単純な見かたでかたづけられるものではありません。なぜならば、家族国家観の基礎となった儒教的家族主義は、家族に対する私的な感情を公的な忠誠心へと接続する役割を果たすものではありましたが、それはどこまでも封建制度における君臣関係をイデオロギー的に支えるものであり、前近代的集団を解体して中央集権的な国民統合を果たすという明治政府のめざした統治のかたちに背馳する側面を有しているからです。それにもかかわらず、日本において家族国家観が比較的スムーズに受容され、近代日本の統治機構を下支えする役割を果たすことになったのは、いったいどのような理由によるのかという問いが、本書をつらぬく関心となっています。 著者は、原始的な個人に立脚する社会思想に反対するという点において、日本における家族国家観とヨーロッパ諸国にも見られる社会有機体論が親近的な関係にあったことを指摘します。その一方で、市民社会の時勢的発生が弱い日本では、国家と社会の対立が明確に存在しておらず、そのために前近代的集団としての家族の延長上に国家を位置づけることが人びとの矛盾を感じさせることなくスムーズに受け入れられていったと論じます。そしてこのことは、近代社会において全面化される諸個人および諸集団の利益の追求が生み出す対立を、疑似家族的な相貌のもとにおおいかくす役割を果たすことになったことを明らかにしています。
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