戦国(2) 雲のかかる峰 歴史小説名作館5

大衆文学研究会【編】

• 内容紹介: 内容:逆軍の旗 藤沢周平著. 篝火 尾崎士郎著. 本阿弥辻の盗賊 山岡荘八著. 身中の虫 井沢元彦著. 青竹 富田常雄著. 狼眼流左近 柴田錬三郎著. 珍奇な決闘 遠藤周作著. 弥助の首 沢田ふじ子著. 腹中の敵 松本清張著. おれは五右衛門 南条範夫著. 忍法破倭兵状 山田風太郎著. 寵臣 来水明子著. 割って、城を 司馬遼太郎著. 関ケ原別記 永井路子著. 月の絵 井伏鱒二著. 喪神 五味康祐著. 仲秋十五日 滝口康彦著. 解説 清原康正著
• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 1992/01/20
• JAN: 9784062504058

商品レビュー

2013/01/19

17人の作家による戦国武将を扱った作品の短編集。
作品名は下記の通り。

逆軍の旗
篝火
本阿弥辻の盗賊
身中の虫
青竹
狼眼流左近
珍奇な決闘
弥助の首
腹中の敵
おれは五右衛門
忍法破倭兵状
寵臣
割って、城を
関ケ原別記
月の絵
喪神
仲秋十五日

印象深かった作品の感想を。

・「逆軍の旗」/藤沢周平：本能寺の変前後の明智光秀と里村紹巴の心情を描いた作品。主君を討つ光秀の苦悩と快感、その後の心境の揺らぎが紹巴の解釈を交え、上手く表現されています。

・「おれは五右衛門」/南條範夫：安土桃山時代に活躍した大盗賊・石川五右衛門のお話。かの有名な太閤暗殺は実は五右衛門の仕業では無かった、という展開から始まります。が、その身代わりと入れ替わり五右衛門本人が罰を受けることになるが、実はその五右衛門も・・・天下の名声のため、自身のプライドの為に命までも投げ打つ五右衛門がいっそ気持ち良いくらいです。

・「関ケ原別記」/永井路子：鳥取二十万石の若き領主・宮部長煕の小説。タイトル通り、彼の人生を大きく変えた関ヶ原での戦いのお話です。戦国の世を生き抜いた老獪な武将、田中吉政に振り回され、没落を余儀なくされた長煕のその後を思うと胸が痛みます。