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あいだの現象学 人間の研究
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文化書房博文社/ |
発売年月日 | 1992/04/20 |
JAN | 9784830106248 |
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あいだの現象学
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絶対的な当為を掲げてきた従来の哲学に対して、現実のかかわりのなかで相対的な当為のあり方を探し求める必要を説いた本です。 キルケゴールやニーチェ、ヤスパース、ハイデガーといった実存哲学者は、哲学における絶対的な当為の理念を批判しましたが、彼らはいずれも厳しい大衆批判をおこなってお...
絶対的な当為を掲げてきた従来の哲学に対して、現実のかかわりのなかで相対的な当為のあり方を探し求める必要を説いた本です。 キルケゴールやニーチェ、ヤスパース、ハイデガーといった実存哲学者は、哲学における絶対的な当為の理念を批判しましたが、彼らはいずれも厳しい大衆批判をおこなっており、ひととひとのあいだから秩序の変革がもたらされる可能性を十分に明らかにしてきませんでした。 さらに著者は、文学を題材に、絶対的な当為と相対的な当為の問題の考察を深めていきます。カフカやカミュといった作家は、超越か淪落かという上下の座標軸を手放すことはありませんでした。カフカは日常的な「間」の世界の底が抜けてしまっていることを描き、カミュは神に直面しえない人間が陥る不条理を論じました。一方、坂口安吾、太宰治、高橋和巳といった日本の文学者たちは、それぞれ「堕落」「恥」「憂鬱」へと陥り、そこから世俗としての「間」を批判しようとしました。著者は、これらの文学がいずれも「間喪失の文学」だと結論づけています。 こうした考察を経て、最後は「間」の倫理の豊穣さへと目を向けようとしています。著者は、ユング派の心理学者であるノイマンの議論を参照しつつ、個々人がみずからの置かれている大衆社会的な無意識に照明を当て、超越と淪落の「間」で、よりよい秩序を求めていくことの重要性を論じています。 実存哲学の解説や文学者たちの仕事についての考察は教科書的な説明に終始しており、そこから展開される著者の結論も、具体性に欠けるという印象は否めないように感じます。「間」の中における当為の意義というのは、それなりにおもしろそうなテーマだとは思うのですが。
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