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彫刻家の娘

トーベヤンソン【作】, 冨原真弓【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1991/11/11
JAN 9784062055840

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商品レビュー

4.1

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2026/04/28

『あの絵とおなじように空が赤く染まり、黒い人影が右に左に走りまわっている。なにかおそろしいことが起こったのだ。ぎざぎざした黒こげの破片が氷の上にころがっている。パパは破片をひろいあつめ、わたしのうでの中におく。ずっしりした重みがおなかをおさえつける。<爆発> 美しく大げさな言葉だ...

『あの絵とおなじように空が赤く染まり、黒い人影が右に左に走りまわっている。なにかおそろしいことが起こったのだ。ぎざぎざした黒こげの破片が氷の上にころがっている。パパは破片をひろいあつめ、わたしのうでの中におく。ずっしりした重みがおなかをおさえつける。<爆発> 美しく大げさな言葉だ。ほかの言葉もおぼえた。そういう言葉はひとりでこっそり小声でささやく。たとえば、<容赦なき><装飾><輪郭><破滅的な><電撃的な><植民地産品店> のような言葉だ。ロにするたびに言葉は大きくなる。ささやきつづけるうちにふくれあがり、その言葉以外のものを追いだしてしまう』―『暗闇』 トーベ・ヤンソンの本を読む度に、岸田今日子の声のムーミンのことを思い出し、アニメの絵柄とは印象の違う挿絵の入った山室静訳の「たのしいムーミン一家」を読んだ時のことをやんわりと思い出す。そして子供ながらにアニメの主題歌のほんわかとした印象とトーベ・ヤンソンの書いた小説の違いを思い出し、あのムーミンはやはりこの少しへそ曲がりにも見える作者の描き出したものなのだな、との思いを強くする。それはトーベの子供向けではない小説を読んでもそう感じるのだけれど、この自身の少女時代の思い出が色濃く反映されたフィクションともノンフィクションとも言い難い本を読むと、また一段とこの少女の想像した世界こそがムーミン谷の世界だったのだなとの思いを強くする。 トーベをミーに重ねる誘惑に常に駆られるのだけれど、この本に登場するトーベの芸術家である両親にやや振り回されている夢見がちな少女のことを思うと、やはり主人公であるムーミントロールにトーベの思いは託されているのだろうかと思い直す。もちろん、男の子の友達との遣り取り場面などを読めば、そこにミーのような少女を容易に見出してしまうのだけれど。そして訳者である冨原眞弓が、ムーミンママはトーベの母親の面影を重ねているという言葉も、本書を読むと頷ける。そう思い始めると、実母の死後、ムーミン・シリーズを書かなくなったのも理解できるような気がする。そんな風に、ムーミン・シリーズの原点を知ることができる、と錯覚するような一冊であることは間違いない それにしてもトーベ・ヤンソンを大人になってから読んで以来いつも思うことがある。フィンランドのヘルシンキ空港に行けば正に国を代表するようなキャラクターとしてのムーミン・グッズのオンパレードであるのだけれど、トーベは作品をスウェーデン語で書いている。そこから、何かもやもやとした理解不能なことが立ち上がる。フィンランドの公用語はフィン語とスウェーデン語らしいので特に取り立て言うことではないのかも知れないけれど。北欧の国々の境界線を巡る思いは複雑なのだろうか、それとも単に母親の母国語であり自身の母語であるスウェーデン語に拘ったというだけなのか。

Posted by ブクログ

2022/09/30

トーベ・ヤンソンの自伝的な作品。(自伝ではない) ムーミンの原点の登場人物が出てきたり、彫刻家のお父さんの芸術家ぶり、アルベルトの生き物の対する姿勢、島での嵐の様子などなど。 ムーミンというとてつもない作品を残す人は、やはり子どもの頃から違う感性だということが、平凡に生きてきた私...

トーベ・ヤンソンの自伝的な作品。(自伝ではない) ムーミンの原点の登場人物が出てきたり、彫刻家のお父さんの芸術家ぶり、アルベルトの生き物の対する姿勢、島での嵐の様子などなど。 ムーミンというとてつもない作品を残す人は、やはり子どもの頃から違う感性だということが、平凡に生きてきた私からは感心するしかない。

Posted by ブクログ

2019/09/03

 子どもの目の高さで描かれた子ども時代のスケッチ。  ファンタジー作家は子ども時代へ自由に行き来する黄金の梯子を持っているそうだ。私はトーベの梯子から落っこちた。  空想と現実がバリアフリーな時期が、私にもあったはずなのだが。

Posted by ブクログ

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