そして殺人の幕が上がる 創元推理文庫

ジェーンデンティンガー【著】, 宮脇孝雄【訳】

• 販売会社／発売会社: 東京創元社/
• 発売年月日: 1991/01/23
• JAN: 9784488270018

商品レビュー

2010/05/28

ブロードウェイ女優ジ…

[文庫ＯＦＦ]

ブロードウェイ女優ジョスリンシリーズの１作目。代役で手に入れた役を完璧にこなうジョスリン。彼女を内心は苦々しく思う主役のハリエット。主役の大金持ちの亭主やプロデューサー、脚本家、舞台や照明の仲間たちが入り乱れるストーリー展開です。ニューヨーク市警の部長刑事フィリップともめながらも、事件を解決していきます。作者も元女優だったらしく、演劇描写がとってもリアル。恋心が芽生えたジョスリン＆フィリップの今後も楽しみ。

2013/03/08

ブロードウェイ公演を控えている芝居の、主演女優の臨時代役を務めることになったジョスリン。
演劇界の鼻つまみ者のこの女優が楽屋で死体で発見されて…。

現代アメリカの演劇界を舞台にしたミステリ。
とはいうものの、それほど深い描写があるわけではなく。
むしろ話のテンポが軽快で、演劇界はこじゃれた舞台設定の一つのように思えた。
読みやすさに伏線を見落としがちだけど、真相が分かってみればなるほどと思う程度に筋立てはしっかりしている。
ジョスリンの魅力は次作以降に期待。

2011/03/31

ジョスリンは大学時代の友人が書いた芝居「開廷期間」に主演女優のアンダースタディとして参加することに。主演女優のハリエットは誰からも嫌われていて、当然のように舞台裏は不協和音の嵐。ついに楽屋で殺害されるに至る。
直前のトラブル。代役のメリット。第一容疑者となってしまったジョスリンは、容疑を晴らすために事件の真相を探りはじめるが…。

演劇の世界を背景に、テンポよくストーリィが展開する楽しいミステリ。筆者自身が女優であり、リアリティがあってまた舞台裏を見せてもらっているような楽しみもある。演劇にまつわる小ネタも満載でそれもまた楽しいが、もちろん全く知識がなくても充分に楽しめる。
ジョスリンがチャーミングで、登場人物も魅力的だ。知性的でハンサムな刑事フィリップ、その相棒で気のいいトミー。ジョスリンを優しく見守る名優リヴィア。彼らの存在もストーリィに華を添える。ジョスリンとフィリップの恋愛模様も一筋縄では行かず、シリーズならではの気の持たせようだ。
大好きなシリーズで、原作はまだまだ続いているのに邦訳が三作で止まっているというのが実に残念。(2005-03-18)

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