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マウス アウシュヴイッツを生きのびた父親の物語
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 晶文社 |
発売年月日 | 1991/08/01 |
JAN | 9784794923004 |
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商品レビュー
4.1
17件のお客様レビュー
アウシュビッツを生き延びた父親にインタビューして、息子がその体験を漫画にした作品。漫画作品で初めてピューリッツァー賞を受賞した。 夫婦で生き延びた作者の両親だが、母親はその後精神を患い自殺しており、現在父親は再婚相手と暮らしている。 全2巻の1巻にあたり、両親の出会いからアウ...
アウシュビッツを生き延びた父親にインタビューして、息子がその体験を漫画にした作品。漫画作品で初めてピューリッツァー賞を受賞した。 夫婦で生き延びた作者の両親だが、母親はその後精神を患い自殺しており、現在父親は再婚相手と暮らしている。 全2巻の1巻にあたり、両親の出会いからアウシュビッツに収容されるまでが描かれている。 父親と作者の関係が上手く行ってなかったり、再婚相手と父親もいがみ合っていたりする現在のゴタゴタと、過去の戦争体験が交錯する面白い構成。 体験した人にしか語れない、少しづつだが確実に迫ってくるナチスの恐怖がとても恐ろしい。簡単に人が殺されていくあの時代の空気が、読んでいてビシビシ伝わってきます。 世渡りの上手い父親の自画自賛っぷりもちょっと笑えるし、父親と息子の分かりあえない様もまたリアルで良い。 『ペルセポリス』に似てるとの事で手に取りましたが、確かに似ています。この本に影響を受けて書いたのかもしれません。絵は『ペルセポリス』の方が断然魅力的ですが・・・。 読めて幸せな、面白すぎる作品です。
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ナチスドイツ人を猫、ユダヤ人を鼠、ポーランド人を豚に置き換えて描かれるノンフィクション漫画の第1巻です。 ホロコーストを生き抜いた父ヴラデックの物語を、息子であり著者のアートが漫画にしたものです。 昔話だけでなく父へのインタビューも詳細に描かれ、その生活感が壮絶な過去と繋がってい...
ナチスドイツ人を猫、ユダヤ人を鼠、ポーランド人を豚に置き換えて描かれるノンフィクション漫画の第1巻です。 ホロコーストを生き抜いた父ヴラデックの物語を、息子であり著者のアートが漫画にしたものです。 昔話だけでなく父へのインタビューも詳細に描かれ、その生活感が壮絶な過去と繋がっている雰囲気がひしひしと伝わってきました。 父と母の出会い、悪くなっていく日常、殺されていく隣人、そしてアウシュヴィッツへ…。 登場人物はみんな可愛い動物なのですが、あまりにも惨い出来事がそれを凌駕してひたすらに恐ろしい世界が広がっています。 あの時代にあの戦争をしていた人間は人間ではなく、全員が動物にも劣る存在だったのかもしれませんね。 2巻にも期待します。
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- ネタバレ
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読んでみたかった漫画。そしてアメコミ高いと思って読んでいなかった漫画。偶然やっと読めた。毎回、戦争の話を読むと人間は集団になると狂う生き物だとしみじみ思う。それは頭に入れておくべきことだとも思う。近代になっても、現代になっても愚かになってしまう生き物なんだと自覚が必要なのだと思う。それはすこしでも愚かになる前の防衛策に使いたい。 あと、壊れてしまったものはどうやったって元には戻らない。ほんとに。 ほか、心理カウンセラーさんとの間の沈黙を入れたのが表現としてすごいな、と思った。そしてサミュエル・ベケットの言葉は何だろう…『私たちは黙ることができないのだから興奮せずにおしゃべりしてみましょう』?『僕たちの時代を悪く言うのはやめよう。これまでの時代にくらべて一層悪いということはない』?ちょっとだけ調べたけどそういうことかなあ…。『今までやったことがある。今まで失敗したことがある。そんなことは構わない。もう一度やれ。もう一度失敗せよ。より上手く失敗せよ』という言葉もあった。それでも、よりよくなるためにはやってみるしかないということだろうか。人が学ぶのはいいと思う。ちゃんと活用できるように、というとこが問題で行動しかないのか。 『彼らはまる一週間、そこに吊るされていた~わしはフェーファーとも取引があった。若いシオニストで新婚だった。彼の妻は通りを悲鳴をあげて走っていった』 「あの人、人間より物のほうが大事なのよ!」 『彼らが連れてった大部分は子どもだった――2、3歳の子もいた。悲鳴をあげる子もいた。泣き止まなかった。するとドイツ人どもは子どもたちの足をもって壁にたたきつけた…子どもは2度とわめかなかった。』 「ハッハ!おまえはわかってないな…あの時は、それはもう家族なんてなかったんだ。それはみんな自分のことしか考えてなかった」 『彼は百万長者だったが、それでも自分の生命を救えなかった』 「ねえ、強制収容所を生きのびたことに後ろめたさを感じる? 「いや、悲しみだけだ」 「そう。人生は常に生きる者の味方だ。なのにどういうわけか犠牲者は避難される。でも生きのびたのが最良の人達ではないし、最良の人達が死ぬわけでもない。無差別なのさ。はーあ。いまは君の本の話じゃないがホロコーストについてどれほど多くの本が書かれてきたことか。問題にすべきは何か?人々は変わりもしなかった。もっと新しい大きなホロコーストが必要なのかもしれない。とにかく死んだ犠牲者たちは、決して彼らの側の物語を話せない。だからもう、物語はこれ以上、ないほうがいいのかもしれない。」 「うーむ。サミュエル・ベケットがこう言ってます。『あらゆる言葉は沈黙と無のうえについた不必要なしみにすぎない』」 「そうだ」 (沈黙) 「でも一方で、彼はそう言ったんです…」 「彼の言うとおりだ。そのことを君の本に入れるといい」 「彼はほんとにドイツ人だったの?」 「わからんよ。ドイツ人の囚人もいたんだ。でもドイツ人にとってこの男はユダヤ人だったのさ!」 『わしは彼らの仕事を見て、靴の修理のしかたを少し覚えた~ほらね、何でもやり方を知っているのは得なんだ』 「許せないわ!よりによってあなたが人種差別をするなんて!あなたの黒人への言いかた、まるでナチがユダヤ人にするみたいよ!」 「ふん!わしはおまえがもっと賢いと本当に思っていたのに、フランソワーズ。黒人野郎とユダヤ人とは比較にもなりゃしないよ」
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