花将軍 北畠顕家

横山高治(著者)

• 販売会社／発売会社: 新人物往来社
• 発売年月日: 1990/11/01
• JAN: 9784404017819

商品レビュー

2021/08/21

南北朝時代を生きた、北畠顕家さんです。
公家でありながら武士として戦った、その心がかっこいい。
もちろん、そこには父親である親房さんの思惑(公家、武士どちらに転んでも北畠家が栄えるように顕家さんを戦わせた)は絡んでいるんだけど。
それでも、主君のために戦った顕家さんを心から尊敬します。

これより後の戦国時代では、利益を重視して主君選ぶ人が多い。というか、時代背景的に自分の家を家臣を守るためにそうせざるを得ない。
しかし、顕家さんは思惑があったにせよ、損得ではなく自分の意思で主君を選び、命を賭して戦った。楠木さんもそう。南北朝時代はもちろん利益重視で主君選んだ人もいるけど、心情で。「この人のために戦う」と決めて戦った人がいた。戦国時代にももちろんいるんですが。
私が南北朝時代が好きな理由はそこ。損得ではなく、大塔宮様のために。そこが好き。

この本、実は阿倍野神社の方から頂きました。
北畠顕家さんゆかりの神社。
地元の人からは愛されています！
が、南北朝時代はいかんせん、知らない人が多く。北畠顕家さん目当てで来る人は少ないそう。悔しい。
そんな中で私が境内であまりにもじっくりお参りしていたから笑　声をかけてくださいました。
そして、良ければということで本を頂きました。本当に感謝です！

2007/04/25

南北朝動乱期、足利尊氏を幾度も破り、若くして散っていった名将・北畠顕家。
その短いながらも、華麗な激動の生涯を描いています。
南朝の大義を守るために奮戦しながらも、北朝・足利尊氏の正しさも認めており、南朝・後醍醐天皇の失政と稚拙な戦略観に苦悩した武将の悲劇です。
武芸だけでなく、学問や芸能（舞など）にも造詣が深く、政治にも秀でた美貌の貴公子で、乱世に咲いた一輪の花と言えるでしょう。
歴史書と小説を組み合わせたような形式で、著者による解説が進みつつ、随所で北畠顕家や後醍醐天皇らの台詞のやり取りがあります。

ニン、トン♪