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シュテュンプケ氏の鼻行類 分析と試論
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シュテュンプケ氏の鼻行類 分析と試論

カール・D.S.ゲーステ【著】, 今泉みね子【訳】

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シュテュンプケ氏の鼻行類 分析と試論

定価 ¥2,029

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 思索社
発売年月日 1989/10/25
JAN 9784783501671

シュテュンプケ氏の鼻行類

¥990

商品レビュー

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2023/04/11

 生物学三大奇書の一角、「鼻行類」という書物をさまざまな角度で分析した解説書?総括書?兎にも角にも素晴らしい本だ。  鼻行類から読み取れる様々な文化的背景、その起こしたムーブメントや前日譚までも網羅しており、鼻行類を読んだならこれも読まねば読書完了とは言い難いとすら言えるだろう。...

 生物学三大奇書の一角、「鼻行類」という書物をさまざまな角度で分析した解説書?総括書?兎にも角にも素晴らしい本だ。  鼻行類から読み取れる様々な文化的背景、その起こしたムーブメントや前日譚までも網羅しており、鼻行類を読んだならこれも読まねば読書完了とは言い難いとすら言えるだろう。作者が鼻行類の原作者ともしたしいためにリアルな息遣いも聞こえてくるほど。少し難しくて長いが是非鼻行類が気に入ったならば読んでもらいたい。  以下からは面白いと思った要素を箇条書き的に述べていきたい。 まず本書は初めにストレートな生物学に関する解説から始まる。鼻行類の専門的な観点から見た矛盾、そして彼らをも超える現実の奇怪極まりない存在達の技術が印象的。 さらにそこから始まって現代科学にも通底するメルヘンに関する小論、 小さすぎる島なのに多様性が豊富すぎる地理学的ツッコミ。 芸術と神話の観点の特色。 自分の好きな作家であるヒエロニムスとの話。 寓話生物ではない鼻行類の特徴。 東洋の竜との関係性。 ダーウィニズムの章では、人間は一つの法則を一般化させたがる、秩序を好むから偶然を介した進化論は受け入れれない、などなかなか面白い理論が出ている。鼻行類からスタートして独自の面白い理論が作られるのも本作の特徴だ。 シュミレーションゲームのびこうるいの参考となった現実の珍奇極まりない生物達。 オリジナルに関する日本の伝統芸能に近い考え方。 挿絵がより具体的な像をつくり補完による誤解を妨げたという指摘。 脳に関する認識に基づく自分の楽しんだ曖昧さと発見の喜びの存在、それに対する反応の幅。 そして寛容さ、異種族との交流におけるあれこれ…。 科学に冗談は許されるのか?という問題提起。この章の科学万能信仰が落ち目になって久しいいま考えさせられる最後の文。 原作者へのインタビュー。鼻行類の生まれた戦後ドイツの明るくも悲惨な光景。海外の敗戦国の戦後の光景はあまり見てないから新鮮だった。その後、いろんな人たちとの会話の中で育まれた鼻行類。まさに彼らは進化し多様化してきたのだ。多くの学者達の談義、すなわち研究により解明されてきたのである 鼻行類以外の空想生物 文法上の間違いと現実の間違い 寄せられた疑問や質問、批判と作者の反応  当時の雰囲気が如実に伝わる。 二つの頭を持つ魚、ニ頭類に関する手紙。ここには日本人の科学者出てきたり、原作者にハイアイアイにいた二頭類らしき何かに言及したりと面白い。 動物学者たちのかいた色々な言語の序文、鼻行類に近い現実の生物に関する手紙。 こうした記述からも生物学的、批判的、言語学的 美術的、あらゆる視点からびこうるいが注目されていたことがわかる 。また最後の方にあったびこうるいの挿絵につての解説もあった。どうやら背景に登場している小動物や植物自体もかなり珍しく貴重な種だったようだ。ますますハイアイアイが海に沈んだことが惜しまれる。だれかどこかに生き残りを探しに行き、新たな鼻行類をまた見出してくれないかなぁ、と思う。また、びこうるい参考文献に関して、元ネタや名前の由来について書いてくれるのはありがたい 動物学者や外国語のもじり系の名前は一般人にはわからない 原作者が実は嗅覚生理学の権威だったことは色々驚いた。

Posted by ブクログ

2018/03/01

個人的に象さんの適応放散図を結構 何回も見る。 なんかウマと象は「進化の袋小路」に入ってて、若干他の進化ができないらしいのだが、後にドゥーガル・ディクソン氏も馬で結構な種類をでっちあげてたと聞いて、へーとか思った。  そのアフターマンに対し、ゲロルフ・シュタイナーは「鼻行類を作る...

個人的に象さんの適応放散図を結構 何回も見る。 なんかウマと象は「進化の袋小路」に入ってて、若干他の進化ができないらしいのだが、後にドゥーガル・ディクソン氏も馬で結構な種類をでっちあげてたと聞いて、へーとか思った。  そのアフターマンに対し、ゲロルフ・シュタイナーは「鼻行類を作る前からあれくらいはできない」とか言ってゐるが、象さんは水中仕様に行きかけ説があるのださうで、その象の進化図は、水中へ行く方向で適応放散してゐる。  三葉虫とか六枚羽の虫とかを衒ひなくさらっと出す。もはや後の『ウォーリーを探せ!』か、そんな感じ。  さういへば『ノンタン』の作者は、作品の中で蜂を出すと、良い子が蜂を発見して喜ぶと言ってゐた。  飛ぶ二枚貝(森にゐる)はある種の狂気すら感じる。  本書によれば、参考文献までおバカが炸裂してゐるらしいのだが、そこまでやるのは、ある種普通だけど、へー。ピルトダウン大学とかなんとか。

Posted by ブクログ

2012/10/09

前半の評論部分はあまりよくない。 シュタイナーのインタビュー部分以下がよい。戦後すぐの食糧難のなかでナゾベームが生まれたとは。 冗談とはいえまじめな議論のなかで鼻行類は生まれてきた。それが学問的な面白さを生み出しているのだろう。

Posted by ブクログ

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