完訳 千一夜物語(1) 岩波文庫

豊島与志雄, 渡辺一夫, 佐藤正彰, 岡部正孝【訳】

• 内容紹介: 内容:第1夜～第24夜
• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 1988/07/07
• JAN: 9784003278017

商品レビュー

2024/11/22

　10世紀〜16世紀にかけて語り継がれてきたアラビアの物語（一部はもっと前に遡るという）。
1900年代初めにフランス系アラブ人のマルドリュス博士によって、アラビア語からフランス語へ翻訳され、そしてそれを戦前〜戦後にかけて、豊島氏を初めとする翻訳者の方々が日本語へと翻訳。
1982年に完全版として13冊が刊行。
そしてそれを2024年の現在、私が読んでいる。

人の手から人の手へと、地域・言語を超えて伝えられる数々の物語の重みに、思わず手が止まって感慨深くなる。

想像することさえ容易でない、1000年以上前のアラビア人達を文字の上に思い描きがながら、イスラム様式の生活、考え方に触れる、それだけで非常に貴重な機会である。

2021/01/16

不思議な事に不思議な事が覆い被さり、語りの中で別の語りが浮かび出てくる構造や展開はとても面白い。
言葉だけ知っていた千一夜物語、シャフリヤール、シェヘラザードにちゃんと触れることができて良かったと思う。
イスラム文化を尊重した訳になっていることや、成立した時代からすると仕方ないが、言葉遣いや言い回しに慣れてなくてちょっと読みづらかった。
自分のような文学初心者にはもっと噛み砕いた訳、思い切って児童向けの方が良かったかも知れない。

2019/02/08

解説：豊島与志雄・渡辺一夫・佐藤正彰・岡部正孝、
原書名：LE LIVRE DES MILLE NUITS ET UNE NUIT(Mardrus,J.C.)