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宇宙船とカヌー ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1988/06/01 |
JAN | 9784480022363 |
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宇宙船とカヌー
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宇宙船とカヌー
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商品レビュー
4.5
10件のお客様レビュー
伝説のカヌービルダー…
伝説のカヌービルダーの変わった人生の歩み。とても興味深い本です。
文庫OFF
土星探索やスペースコロニー開発に打ち込む理論物理学者である父フリーマンと、対照的なエコロジストの息子ジョージの物語。反目と葛藤を経て、父子の対照的な人生が交差することもなく交互に綴られていく。エコロジストの伝記作家はジョージとともにカヌーで旅をする。2人の関係も面白い。最後は似た...
土星探索やスペースコロニー開発に打ち込む理論物理学者である父フリーマンと、対照的なエコロジストの息子ジョージの物語。反目と葛藤を経て、父子の対照的な人生が交差することもなく交互に綴られていく。エコロジストの伝記作家はジョージとともにカヌーで旅をする。2人の関係も面白い。最後は似たもの父子の邂逅と雪解け。ジョージのフィールドと彼のヒッピー的コロニーでの5日間の共同生活。息子に対する誇らしさ。 小説の醍醐味のひとつは他者の人生を疑似体験できることだが、平凡な人生を送っているワタシは男子としてどちらの生き方にも憧れる。価値観の違う相手を尊重すること、受け入れること、他の何者でもない自分だけの人生、やりたいことやり切らないと意味ないよなぁとかボンヤリ考えながら読み進む。徒然に空想や思索に浸る心地よさを求めて、少し長い旅か縦走に出かけたくなってきたなー。カヤックもやりたくなってきたー!
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かつて英国空軍に所属していた理論物理学者のフリーマン・ダイソンは、戦後に原子力を利用したロケット開発に関わり、宇宙移民計画の実現を目指していた。一方、16歳で家をでた息子のジョージは自作のツリーハウスに住み、アリューシャン列島の先住民に倣った巨大カヌー〈バイダルカ〉製作に熱中する...
かつて英国空軍に所属していた理論物理学者のフリーマン・ダイソンは、戦後に原子力を利用したロケット開発に関わり、宇宙移民計画の実現を目指していた。一方、16歳で家をでた息子のジョージは自作のツリーハウスに住み、アリューシャン列島の先住民に倣った巨大カヌー〈バイダルカ〉製作に熱中する。対照的な生き方を選んだ親子を描いたノンフィクション。 著者のブラウワーは環境保護団体の代表もやってる人なので、かなりジョージ寄りの視点から書かれている。フリーマンが戦中に空襲作戦に携わり、その後も核を使った宇宙開発を進めたという経歴のせいもあるんだろう(実際はフリーマンの計算が軍事作戦に与えた影響はほぼゼロらしい)。この本の舞台になっている70年代のロケット開発は戦争の新しい形でもあったことを思うと、ブラウワーの厳しさも理解はできる。 けれど、宇宙への興味すらも否定するような口ぶりにはやっぱり違和感がある。ジョージと一緒にカヌーで大海に漕ぎだしていく仲間たちが、星空に惹かれないことがあるだろうか。流行に反発してたんだろうし、ジョージにとっては父への反発でもあったのだろうけど、カヌー乗りの宇宙観を語ってほしかったという気持ちが残る。カーニヴァレスクな6人乗りバイダルカの進水式の様子、クジラやシャチとの出会いを描くときのリスペクト溢れる筆致は、目の前に爽やかな景色が広がるようでとてもよかった。 全く別の分野でそれぞれ名が知れた父と息子を取り上げ、その関係性にスポットをあてるのではなく各々の成果やこだわりを並列に語っていく構成も、フリーマン家に対して誠実だと思う。かたや宇宙への移住を夢み、かたや古の先住民の生活を再現しようとした二人。二人はそれぞれに途方もないユートピストだったんだと思う。似た者同士であることに自覚的ながら距離を保ったまま再び別れた親子だったが、のちにジョージは父が関わった「オリオン計画」についての本を書き、いまはサイエンスライターになっているという。
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