- 中古
- 書籍
- 文庫
方丈記を読む 講談社学術文庫
定価 ¥704
330円 定価より374円(53%)おトク
獲得ポイント3P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1987/10/10 |
JAN | 9784061587595 |
- 書籍
- 文庫
方丈記を読む
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
方丈記を読む
¥330
在庫なし
商品レビュー
4
1件のお客様レビュー
歌人の馬場あき子と国文学者の松田修が、『方丈記』のテクストにそくして、その魅力を語っている本です。 松田は、「孤」(みなしご)という鴨長明の自己規定のうちに彼の幼児性を指摘しています。また、「正」と「反」だけが綿々とつらなって「合」が欠落している『方丈記』の文体上の特徴から、俗...
歌人の馬場あき子と国文学者の松田修が、『方丈記』のテクストにそくして、その魅力を語っている本です。 松田は、「孤」(みなしご)という鴨長明の自己規定のうちに彼の幼児性を指摘しています。また、「正」と「反」だけが綿々とつらなって「合」が欠落している『方丈記』の文体上の特徴から、俗生への未練を断ち切れない人物像を読みとりつつも、そもそも長明に遁世を妨げるほどの現世のほだしなどなかったのではないか、「ひょっとしたら長明は、世の人が価値とみるような捨てるべきなにものをももたない、あるいはほとんどもたない遁世者であったのかもしれない」という、ある意味で意地の悪い見方を示しています。 一方馬場氏は、歌人としての立場から長明の歌が二流のものだということを指摘し、しかも長明自身がそのことを十分すぎるくらい知っていたのではないかと述べています。 こうした両者の対談を通じて、あまりにも人間くさい長明の姿が浮き彫りにされています。しかも、仏道にも数寄の道にも没入できず、自己分裂の中に生きた長明の「隠遁」を、そのままのかたちで救い出そうとしているところに、馬場、松田両氏の「人間」をどこまでもいとおしむまなざしが感じられます。
Posted by